ウガリット神話・メソポタミア神話・ゾロアスター教の、神々の名前

バアル、シャマシュ、ティアマト、ギルガメッシュ、アフラ・マズダー、アンラ・マンユなど……色んな作品に出てくる名前もありますよ~。


↑古代メソポタミアの巨大な聖塔「ジグラット」、上部には神殿などがありました。

 

ウガリット神話

アーシラト  神々の女王
アシュタロテ  豊穣多産の女神
アナト  愛と戦いの女神
エール  神を指す言葉
コシャル・ハシス  工芸神
シャプシュ  太陽神
バアル/メルカルト  嵐と慈雨の神。武器であるヤグルシ(稲妻)とマイムール(矛)は命じると相手の元へ飛んでいき、その相手を叩きのめす。
モト  炎と死と乾季の神
ヤム=ナハル  海と川の神

ウガリット神話はアブラハムの宗教(=ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)と民族的・言語的にも近い神話体系。ユダヤ教がウガリット神話を否定していく中で、アシュタロテやバアルといった神々は悪魔だとされていきました。


↑アシュタロテ

↑バアル

メソポタミア神話

メソポタミア地方に伝わる神話の総称であり、大きく言ってシュメール神話とアッカド神話に分かれます。先にシュメール人の神話があり、それを後から征服したアッカド人が受け継ぎました。

共通の神々

アンシャル  天の父
アヌ  最高の天の神
アプスー  神々と地下世界の海の支配者
アッシュール  アッシリアの国家神
イシュタル 愛の女神
エア  知恵の神
エンリル  天候と嵐の神
エヌルタ(Enurta)  戦争の神
エレキシュガル 冥界を支配する「死の女主人」
キシャル  地を司る女神(アンシャルの妻にして妹)
キングー  ティアマトの夫
シャマシュ  太陽と正義の神。ハンムラビ法典で有名
シン  月の神
ダムキナ  地球の母なる女神
ティアマト  原初の女神
ナブー
ニントゥ(Nintu) 全ての神々の母
ハダド(Hadad)  天候の神
マルドゥク  バビロニアの国家神
ムンム  霧の神
ラフム
ラハム


↑冥府の女神エレキシュガル

↑王(左)にハンムラビ法典を授けるシャマシュ(右)

神以外の生き物

ウトゥック
ギルタブルル
ズー
スフィンクス 実はバビロニア神話にも登場。姿は違い、ライオンの身体・人間の女性の顔・鷲の翼を持つ怪物
パズズ
パピルサグ
フンババ
ムシュフシュ
ムシュマッヘ

スフィンクス
↑スフィンクス。これはエジプト式、ネメスと呼ばれる頭巾を付けたファラオ(王)の顔とライオンの体を持つ神聖な存在

シュメール神話の神々

アン
エンキ
エンリル
イナンナ
ナンム
ナンナ
ニンフルサグ
ニンリル
シン
ウトゥ

アッカド神話

シュメール人を支配したアッカド人が継承した神話。言語により、さらにバビロニア神話とアッシリア神話に分けられます。

バビロニア神話の神々

エア
ダムキナ
ティアマト
ナブー
マルドゥク
<エヌマ・エリシュ> バビロニア神話の創世記

アッシリア神話

アッシュール
イシュタル
ナブー

ギルガメシュ叙事詩

ギルガメッシュ 3分の2が神で3分の1が人間の半神半人である大英雄。元々は実在した王様の名前だったとのこと。
エンキドゥ ギルガメシュの友。粘土から作られた野人

『ギルガメシュ叙事詩』(ギルガメシュじょじし)は、古代メソポタミアの文学作品。実在していたらしい古代メソポタミアの伝説的な王ギルガメシュをめぐる物語。

後半ではギルガメッシュは不老不死の秘薬を求めて旅をしますが、結局は不死になれずに人間として死んでしまいます。ここら辺も味わい深いですねぇ。

4000年以上前の非常に古い物語であり、その後の神話などに影響を与えているそうです。例えば旧約聖書の「ノアの方舟」の部分は、ウトナピシュティムの洪水伝説が元になっているという説が。

他にも、女神イシュタルは「ギリシア神話のアフロディーテおよびローマ神話におけるヴィーナスの原型」と言われますし、ギルガメシュとイシュタルの恋沙汰はギリシア神話の「オデュッセイア」に繋がったとされています。


↑半神半人の英雄、ギルガメッシュ

ヒッタイト神話

ヒッタイトは紀元前15世紀頃に、現在のトルコの辺りに栄えた民族

アラル
クマルビ
テシュプ  嵐・天候神
テリビヌ
へパト

ゾロアスター教

善神

アフラ・マズダー  ゾロアスター教の最高神。

アムシャ・スプンタ  アフラ・マズダーに従う7柱の善神
スプンタ・マンユ
アシャ・ワヒシュタ
ウォフ・マナフ
フシャスラ・ワルヤ
スプンタ・アールマティ
アムルタート
ハルワタート  水の神

ヤザタ  アムシャ・スプンタに次ぐ地位の善神
アータル  火の神
アープ  水神
アナーヒター  川・水を司る神
ウルスラグナ  英雄神
スラオシャ
ティシュトリヤ  星・慈雨の神
ハオマ
フワル・フシャエータ  太陽神
ミスラ  英雄神、司法神、光明神、牧畜の守護神
ラシュヌ

悪神

アンラ・マンユ (アフリマン、アーリマンとも)  ゾロアスター教の最大の悪神、大魔王。虚偽・狂気・凶暴・病気など、あらゆる悪や害毒を創造する。
アエーシュマ  怒りと欲望を司り、人間を悪行にいざなう。天使スラオシャとは対立関係にある
アジ・ダハーカ  3頭3口を有し、口からは毒を吐き出す。残忍でずる賢く、地上にあっては人間の姿をして善人をそそのかす悪魔
ジャヒー  女悪魔で売春婦の支配者。婦人に月経の苦しみをあたえたとされる
タローマティ  アヴェスター語で「背教」を意味する。女性天使アールマティと対立関係にある
ドゥルジ  疫病をもたらす女の悪魔。天体運行をになうアシャとは対立関係にある
バリガー  女悪魔の総称。ドゥルズーヤー、クナンサティー、ムーシュは、そのなかでも「三大バリガー」として恐怖の対象に

その他

フラワシ  万物に宿るとされる精霊
ズルワーン 創造神

<アヴェスター> ゾロアスター教の聖典
<ダフマ> 日本語だと「沈黙の塔」。鳥葬(死体を鳥に食べさせて処理すること)を行う施設。ゾロアスター教では、空気・大地・水といった自然を人間の死体という不浄なるものによって穢すことを禁止している。なので、火葬・土葬・水葬といったものは行えず、自然を汚さない方法として鳥葬が用いられている。鳥に死体を与えることは人生で最後の功徳とのこと。

ゾロアスター教は、古代ペルシア(現代のイランの辺り)を起源の地とする宗教。別名「拝火教」とも言われ自然崇拝の色合いも強いとのこと。火だけでなく水・空気・土もまた神聖なものと考えられました。

内容としては「善悪二元論」が非常に特徴的! これは「この世界は善の神と悪の神の戦いの場である」というもので、善VS悪という分かりやすい対立構造。

現代人の感覚から言うとある意味ゲーム的と言えるかも? 大魔王VS勇者、みたいなファンタジーRPGの世界観の元ネタの1つと言えるでしょう。

この記事に乗っている神話・宗教は中東地域のもの。この地域は4大文明の1つである「メソポタミア文明」があったように、世界全体でも古くから文明が発達。それに合わせて古い時代から神話・宗教が生み出されてきた地域なんです。


古代メソポタミア文明は、メソポタミアに生まれた複数の文明を総称する呼び名で、世界最古の文明であるとも言われます。文明初期の中心となったのは民族系統が不明のシュメール人。

地域的に、北部がアッシリア、南部がバビロニアで、バビロニアのうち北部バビロニアがアッカド、下流地域の南部バビロニアがシュメールとさらに分かれます。古代ペルシャは、この図のさらに→の地域ですね。

ご存知の通り、現在の中東地域はイスラム教が圧倒的な支持を集めています。いわゆる「アブラハムの宗教」(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)はシリアの辺りで誕生して世界に広がっていくことに。

この記事にあるような古代の神話・宗教は新しく登場した宗教に消されてしまいました。神話・宗教自体もロマンあふれるものだけど、その栄枯盛衰も面白いものですね。

 

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