『変態性欲』とは? 人々が注目してしまう、一般的ではない嗜好

ヘンタイなどとも表記され最近ではサブカル界隈で良く見る言葉に。人間の性ってのは、複雑なものですねぇ。

というわけで、今回のテーマは「変態性欲」。性的な行動・指向・嗜好などに関して、正常の範囲を超えた範囲を指す言葉。英語で言えば、Sexual Perversion。今だと略語の変態やヘンタイといった表記の方が多いでしょうか。

大正時代に広がった言葉

この「変態性欲」という言葉が日本で広がったのは大正時代。1913年(大正2年)に、クラフトエビングという人の『Psychopathia Sexualis』という学術本が、ずばり「変態性欲」という名前で翻訳出版されたことがきっかけ。

この本によって、当時の日本では「変態性欲ブーム」が発生。文学者・民俗学者などの幅広い人が変態性欲について論じ、関連する書籍も大量に出版されました。ここで日本に性的な意味の「変態」という言葉が定着。

【18禁】 「変態性欲」と「性欲生活」にのけぞる大正セクシュアリティというブログ記事を見てみると、本当に色々な本が出ていた様子

まぁ、この時期の性に関する考え方は今とは違いますが。自慰行為だけでも変態性欲だと言われたようですし(笑) 後は、男性の不能(インポンテンツ)なども変態性欲だとされました。

ブームを全体的に見ても、変態を面白く思うというより「何が変態性欲で、何が正態なのか。変態性欲は良くないもので正しい性行動をしなくてはならない」みたいな感じだったよう。

大正時代から昭和初期にかけて、変態性欲は学術的な用語としても使われました。今では違いいますけどね。理由としては、一般的な言葉になり過ぎて定義が曖昧なったことと、「変態」という単語に差別的な印象があるからとのこと。

今では学術用語として「性的倒錯」「精神障害」「パラフィリア(英語で、性的倒錯を意味する言葉)」などが使われています。

精神医学における判断

さて、こういった変態性欲・性的倒錯というのは学問的には精神医学の分野です。精神医学的には、正常な性嗜好を逸脱している場合には、性嗜好障害(せいしこうしょうがい)や性嗜好異常(せいしこういじょう)と呼ばれます。

その判断基準として有名なものはアメリカ精神医学会によるもので2つの条件を両方満たしていることが必要。引用すると、

(1)当人が自分の性的嗜好によって、心的な葛藤や苦痛を持ち、健康な生活を送ることが困難であること。

(2)当人の人生における困難に加えて、その周囲の人々、交際相手や、所属する地域社会などにおいて、他の人々の健全な生活に対し問題を引き起こし、社会的に受け入れがたい行動等を抑制できないこと。

「心的な葛藤や苦痛を持ち、健康な生活を送ることが困難」「社会的に受け入れがたい行動等を抑制できない」こういったことが判断基準なんですね。

なので、精神医学的には、すごく奇妙な性的嗜好を持っていたとしても本人や周りが困ってないなら変態性欲ではない!

まぁ、精神「医学」なので。直すべき「病気・精神疾患」というのは困っている人がいるからこそ。誰も困ってないなら、それは病気ではないと言えます。

性には、注目が集まる

やっぱり、いつの時代でも性に関することには注目が集まる。食欲・睡眠欲・性欲が人間の3大欲求だって言われますしね。人間にとって重要であり、気になるもの。

今でも、2次元の性的嗜好を含めればロリコン・ショタコン・サド・マゾ・巨乳好き・貧乳好き・BL・GLなどの多種多様な性癖が知られています。

一般的なものから、それこそ変態扱いされるマイナーものまで色々ありますよね。漫画・ラノベ、その他のフィクション・創作の中でも「変態キャラ」ってのが最近では良く出てきます。

変態キャラってのは単純にインパクトありますし、ある意味で同情と共感が集まるのかも知れませんね。完璧に平均的で完全に正常な人間なんていないでしょうし。

みなさん、自分の性癖が「完璧に平均的で完全に正常」だって自信を持って言えます? 私はちょっと言えませんねぇ(笑) 自分の性的嗜好を全く隠すことなく生きていきたい! って思いは、多くの人が感じていることなのでは?

正常と異常なんて、あいまいなもの

しかしまぁ、変態性欲・異常の判断基準について絶対的なものは無いです。時代や地域によって色々と違いがあるものなので。

↑で書きましたが、大正時代には自慰行為だけで変態だとされたそうですよ? 今では、そんなことで変態だと判断する人なんていないはず(笑)

後は、同性愛も有名ですね。古代ギリシャ・ローマでは男同士の同性愛は一般的な物でした。中世から戦国時代の日本でも、少年と武士の性的関係は社会的に認められています。それがキリスト教や近代化の影響で、一度は異常だと差別されるように。

最近では、先進国を中心に再び同性愛が認められるようになってきました。国連の国際保健機関(WHO)は「同性愛はパラフィリア・精神障害ではない。治療の対象にはならないし、するべきではない」というような宣言をしています。

日本精神神経学会も同じようなことを言っているので、今の日本では同性愛は変態ではありません。

この瞬間には変態性欲だと判断されることも、未来になったら普通だと言われているかも知れませんね。逆に、今は普通のことでも未来には変態だと言われている可能性もあるってことでしょう。面白いものです。

変態性欲の例

一口に変態性欲・性的倒錯と言っても、内容は人によって多種多様千差万別! 変態性欲は大まかに言って2つに分けられます。

最終目標が性交ではなくなっている「性目標倒錯」、最終目的は性交だけど対象が倒錯している「性対象倒錯」の2種類ですね。

ここからは変態性欲の例をウィキペディアから引用してみます。

性目標倒錯

アクアフィリア(溺水性愛)
アノレクタル(異物肛虐愛)
ウロフィリア(小便愛)
エキシビショニズム(露出性愛)
エメトフィリア(嘔吐性愛)
エロトフォノフィリア(殺人性愛)
カニバリズム(食人性愛)
クリスマフィリア(浣腸愛)
クレプトフィリア(窃盗性愛)
コプロフィリア(糞便愛)
サディズム(加虐性愛)
サドマゾヒズム(加虐被虐性愛)
シトフィリア(食物性愛)
スコプトフィリア(窃視性愛)
ズー・サディズム(動物加虐性愛)
タナトフィリア(死性愛)
タフェフィリア(埋葬性愛)
デンドロフィリア(樹木性愛)
ハイブリストフィリア(犯罪性愛)
ハイポクシフィリア(窒息性愛)
ピロフィリア(火炎性愛)
フロツーリズム(接触性愛)
ヘマトフィリア(血液性愛)
マゾヒズム(被虐性愛)
マノフィリア(手淫性愛)

性対象倒錯

・人物への性対象倒錯

アクロトモフィリア(四肢欠損性愛)
アコースティックフィリア(音響性愛)
アナスティーマフィリア(身長差性愛)
アポテムノフィリア(身体欠損性愛)
アベイショフィリア(身体障害性愛)
アンドロミメトフィリア(男子性転換性愛)
オキュロフィリア(眼球性愛)
オドントフィリア(歯牙性愛)
オルファクトフィリア(体臭性愛)
グレイブラスネス(無毛性愛)
ジィネミメトフィリア(女子性転換性愛)
ステノラグニア(筋肉性愛)
ディスモーフォフィリア(奇形性愛)
デフロランティズム(処女性愛)
トランスヴェストフィリア(性転換性愛)
トリコフィリア(毛髪性愛)
ネクロフィリア(屍体性愛)
ノソフィリア(病症性愛)
ノーズ・フェティシズム(鼻性愛)
ハイグロフィリア(分泌物性愛)
ピゴフィリア(臀部性愛)
ファット・フェティシズム(肥満性愛)
ファロフィリア(巨根性愛)
フォレスキン・フェティシズム(包皮性愛)
フート・フェティシズム(脚部性愛)
ブレスト・フェティシズム(胸部性愛)
メイシオフェリア(妊婦性愛)
メノフィリア(月経性愛)
ラクトフィリア(母乳性愛)

・年齢への性対象倒錯

インファノフィリア(幼児性愛)
エフェボフィリア(青年性愛)
クロノフィリア(年齢差性愛)
ジェロントフィリア(老人性愛)
ニンフォフィリア(児童性愛)
ペドフィリア(小児性愛)
ペデラスティ(少年性愛)
へべフィリア(少年性愛)
ニンフェット(少女性愛)
ショタコン(少年性愛)
アリス・コンプレックス(少女性愛)
ハイジ・コンプレックス(少女性愛)

・物体への性対象倒錯

アガルマトフィリア(偶像性愛)
アンダーウェア・フェティシズム(下着性愛)
クロッシング・フェティシズム(衣服性愛)
サイダロドロモフィリア(列車性愛)
シュー・フェティシズム(靴性愛)
スモーキング・フェティシズム(喫煙性愛)
ティモフィリア(財産性愛)
ミソフィリア(汚損性愛)
バルーン・フェティシズム(風船性愛)
ピクトフィリア(画像性愛)
メカノフィリア(機械性愛)
ユニフォーム・フェティシズム(制服性愛)
ラバー・フェティシズム(ゴム性愛)
レザー・フェティシズム(皮革性愛)

・状況への性対象倒錯

アムロフィリア(疑似盲目性愛)
アルゴラグニア(疼痛性愛)
エンドソーマフィリア(体内進入性愛)
オクロフィリア(群衆性愛)
オートアサシノフィリア(恐怖性愛)
オートガイネフィリア(女性化自己暗示性愛)
オートネピオフィリア(幼児行動性愛)
カトプトロノフィリア(鏡像投影性愛)
コーリオフィリア(舞踏性愛)
コプロラリア(猥語性愛)
シンフォフィリア(災害性愛)
スードゥズーフィリア(動物擬態性愛)
ゼロフィリア(嫉妬性愛)
ソムノフィリア(睡眠性愛)
ダクライフィリア(泣哭性愛)
トランスヴェスティズム(異性装性愛)
トロイリズム(三者性愛)
ナレートフィリア(口述性愛)
バイストフィリア(強姦性愛)
ハーマトフィリア(失態性愛)
ヒエロフィリア(聖依性愛)
ホメオヴェスティズム(同性装性愛)
ボラレフィリア(丸呑性愛)
ポリテロフィリア(性行為連続性愛)
マクロフィリア(巨人性愛)
ミクロフィリア(矮人性愛)
メディカル・フェティシズム(医療性愛)

・その他の性対象倒錯

アラクネフィリア(蜘蛛性愛)
ズー・セクシャリズム(動物性愛)
スペクトロフィリア(霊体性愛)
ズーフィリア(獣姦性愛)
フォーミコフィリア(昆虫性愛)
ミクソピック・ズーフィリア(窃視獣姦性愛)

ちょっとネットで調べれば大量の情報が出てきます。いやー、すごい! 人間の性ってのは面白いもの。事実は小説より奇なりというか、創作の中でも出てこないような不思議な性的嗜好も多くあるようですよ。

人間の性的嗜好は、多種多様!

人間の性的嗜好って、なんでこんなに種類があるんでしょう? 単純に生殖・子孫繁栄のことだけ考えれば不思議な気もしますよね(笑) 性目標倒錯とか、最終目標が性交じゃなくなってるし。

でも、逆に考えてみれば多くの性的嗜好があって当然かも知れません。例えば、食べ物の好みも人それぞれ。辛い物が好きな人もいれば、甘いものが好きな人も。他人から見れば良く分からないものが好きな人もいるわけで。

職業なんかも、芸術家もいればスポーツ選手もいて、工場で働いてる人もいれば芸能人もいます。世の中には珍しくて変な仕事をしてる人もたくさん!

それと同じく、性的嗜好も多種多様で当たり前なのかも。無駄に異常・正常に分け考えようとするのが間違ってるのかもしれませんね。

まとめ

・変態をより正確に言えば「変態性欲」。大正時代に広がった言葉

・精神医学的には、すごく奇妙な性的嗜好を持っていたとしても本人や周りが困ってないなら変態性欲ではない!

・いつの時代でも性に関することには注目が集まるもの

・最近「変態キャラ」がよく出てくるのは、「自分の性的嗜好を全く隠すことなく生きていきたい!」って思うは人が多いからなのでは?

・でも、本当に不思議な性的嗜好も多くあるよね!

・食べ物の好みとか、職業の種類のように、性的嗜好も色々あって当たり前なのかも?

 

変態性欲の例

サディストとは? 虐待・苦痛を与えて快感を得る性的倒錯者
相手を身体的・精神的な苦痛を与えたり、そうする場面を想像したりすることで、性的快感を得る人のことですよね!
マゾヒストとは? 苦痛・羞恥心で性的快感を得る性的志向の人
苦痛・羞恥心・屈辱感などから性的快感を得る人ですね! 意外と、だれでもマゾヒズムの土台はあるそうですよ?