SFの魅力と、歴史と分類をざっくり紹介してみる

SFの面白さって何なんでしょうか? それからファンタジーとの違いって意外と難しいんですよね~。SF的な発想も、古くあったりしますし?

銀河系

というわけで、今回のテーマは「SF」。英語で書くならScience Fiction。日本語に訳すなら、科学的空想とのこと。

科学! 宇宙! リアリティ! そんな感じのイメージでしょうか? 最近の日本では小説よりも、アニメ・ゲーム・映画の設定としての方がなじみがあるかも知れませんね~

3つの魅力

SFは人気あるジャンル! 小説・漫画・アニメ・映画・ゲーム、非常に多くのSF作品があります。

SFの魅力とは何でしょうか? まぁ、色々とあって人によっても意見が違うと思いますが、個人的には「未来の科学技術」と「手つかずの大宇宙」、そして「思考実験」という3つが中心的じゃないかと。

ファンタジーの場合、魔法やモンスターは完全に別世界の話です。物理法則的にあり得ません。しかし、SFの中に出てくる未来の科学技術は「もしかすると、実現するかも?」と思わせてくれます。

科学技術はどんどん進歩していますし、実際に人類が巨大宇宙船で太陽系を飛び出す日が来るかもしれません。この「未来への想像力」を刺激してくれるのがSFの魅力でしょう。

また「宇宙」というのは未だ人類がほとんど進出できておらず、謎も多い広大な空間。もはや地球上には謎に満ちた未開の場所はありません。

もちろん、細かいことを言えば深海などには分からないことも多いけど、大昔の人が想像していたような不思議な別世界は地球上には残っていないと言えます。

しかし、宇宙は違う! 可能性と謎に満ちた、好奇心と冒険心を刺激してくれるロマンあふれる空間なのでは。

そして思考実験。これはちょっと分かりにくいかもしれませんが、例えば「タイムマシンを使って過去を改変したら現代にはどのような影響が出る可能性があるか?」みたいな感じ。

頭の中で実験して、その結果を考えてみる。正解なんて無いんですけどね(笑) しょせんは頭の中の話しなので。でも、その結果を理屈っぽく考えるのが楽しい! タイムパラドックス(過去を改変することにより発生する矛盾)なんて色んな人が考察してますし。

そして、こういうのはファンタジーよりSFの得意分野だと思います。ファンタジーだと現実と世界のルールが違いすぎて実験にならないんですよねぇ。

「なんでそうなるの? 科学的な説明は?」「そういうルールの世界なんだよ!」で終わっちゃうので……(笑)

未来、宇宙。まだ見ぬ未知の世界への想像力と好奇心。そして、それを利用した思考実験。それがSFの魅力じゃないでしょうか。

SFの出発点

そんなSFだけど、やはり出発点は小説です。「SF」という言葉が使われるようになったのは1920年代。この時期から、アメリカで世界初のSF雑誌「アメージング・ストーリーズ」の発刊され始めました。

この雑誌の初代編集長ヒューゴー・ガーンズバックが「サイエンス・フィクション」という言葉を生み出したとされます。(ただし、正確には「サイエンス・フィクション」ではなく、「サイエンティフィクション」〔Scientifiction, Scientific+Fiction〕と呼んだそうですが)

しかし、SF的な考え方がここで突然に登場したわけではありません。「最初のSF作家」と言われるH・G・ウェルズは、あの有名は「タイム・マシン」を1895年に書かれていますしね。

また、SFというジャンルではなく科学的なアイディア・視点の場合は、さらに昔から存在しています。

例えば、1816年にメアリー・シェリーよって書かれた「フランケンシュタイン」。これはゴシックホラー小説でありますがSF的な要素を含むとされています

ざっくりした内容としては「科学者が人間の死体から人造人間を製作。その人造人間は知性と心を持ちますが、醜い外見のせいで人間に拒絶され、怒りによって殺人を起こす」というような話

確かに、単純なホラーというだけでなく「科学の進歩によってこんなことが起きるかも?」みたいなSF的視点が感じられますねー。この科学に関する視点によって、メアリーは先駆的な業績を認められSFの先駆者あるいは創始者であるとも言われます。

さらに範囲を広げれば、はるか昔の神話・民話などにもSF的な要素を見つけられます。古代ギリシアの作家ルキアノスの書いた「イカロメニッパス」では、

主人公のメニッパスが両手に翼をつけてオリュンポス山の上からイカロスのように(イカロ)飛び立って月の世界に行き、そこで月の哲学者と出会います。そして、目を千里眼にしてもらい、地上を見て世界の小ささを実感する。月から世界を見る、SF的とも言えなくもない。

他にも、日本の竹取物語ではかぐや姫は月から来た宇宙人。SF的な要素だと思えばそうですよね。科学が登場する以前から、人類はSF的なアイディアをすでに考えていたってことでしょう

SFの分類と流れ

SFの中にも色々と種類があって、名前も色々とあります。これがSFファン以外には分かりづらい要因の1つですよね(笑) というわけで、ウィキペディアの説明を元に加筆・修正したものを載せてみますよ。

・作品の方向性

ハードSF – 科学性に重きを置いた作品群。ハードコアSFとも。
スペースオペラ – 波瀾万丈の宇宙ヒーロー活劇。騎士道物語的、西部劇的。宇宙海賊がしばしば登場することから『海洋冒険小説』を宇宙に移したものであるという見方も。
ニュー・スペースオペラ – 1970年代アメリカの、ハードSFを意識したスペースオペラ的作品。また、1990年代イギリスを中心とした、シンギュラリティ思想やサイバーパンクの影響も見られるハードSF的スペースオペラ作品群もそう呼ばれることがある。
ワイドスクリーン・バロック – 時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄
ニュー・ウェーブ – 従来の外宇宙志向SFに対し、心理など内宇宙に主眼を置く作品群。
サイバーパンク – 退廃的で混沌とし、コンピューターネットワークと濃密にリンクした世界設定を用いる。多くの派生ジャンルを生んだ。また、構造・機構・体制に対する反発(いわゆるパンク)や反社会性も多きなテーマ。細かいことを言えば、サイバー要素だけでは「サイバーパンク」とは名乗れない。
SFコメディ – 『宇宙船レッド・ドワーフ号』『銀河ヒッチハイク・ガイド』など英国喜劇の影響を受けた作品や、日本では横田順彌のナンセンスギャグを主題とした「ハチャハチャSF」と呼ばれる作品群が知られている。
SFファンタジー‐ 科学的要素だけでなく魔法などのファンタジー的要素が含まれている作品。

・メインとなるテーマ

時間SF– タイムマシンなどによるタイムトラベルやそれによって発生するタイムパラドックスや時間ループ、時間の速度を扱ったもの。
破滅SF – 壊滅的な大惨事あるいは人類や地球の滅亡を描いたもの。
ファースト・コンタクトSF – 異星人との初めての出会いの状況を描いたもの。
侵略SF – 異星人などによって地球が侵略される状況を描いたもの。
超能力SF – 超能力を持った(持ってしまった)人間を描いたもの。
ミュータントSF – 新人類または突然変異体を描いたもの。
ロボットSF – ロボットまたは人工知能に関する様々な状況を描いたもの。
方程式もの– 「酸素や燃料に余裕のない宇宙船に密航した人間の扱い」をめぐる局限された状況などを描いたもの。
ディストピアSF – 理想郷(ユートピア)とその対義的状況に主眼を置く。

・物語の舞台

宇宙SF – 宇宙空間に進出した人類文明とその中で活動する人の姿を描く。スペースオペラ、ワイドスクリーン・バロックなど。
海洋SF– 深海や海洋を舞台とする。日本では、海洋研究開発機構地球情報研究センターで、海洋SFの普及に向けた取り組みが行なわれているとのこと。
歴史SF – タイムマシンを扱った歴史改変もの、もしくは過去の歴史時代を舞台としたSF。
ロストフューチャー – SF的な道具立てを用いて、「ありえたかもしれない未来」を描く。スチームパンクなど。
未来SF – 未来世界を描くSF。未来史など。
近未来SF – 数十年程度の、比較的近い未来を舞台としたSF。作品が創作された時代の方向性を反映しやすい。
遠未来SF – 数百年-数千年、あるはそれ以上の遠い未来を舞台としたSF。
学園SF – 学校を舞台とし、少年や少女が物語の中核をなすもの。

ということらしいですよ! 本当に色々とあるもの。これは非常に大ざっぱな分類なので、実際にはもっと多くの種類・分類がありますし。次に、SFの歴史の簡単な流れをご紹介。

最初期

最初期にはSFというより単純な「科学知識を取り入れた小説」でした。ジュール・ヴェルヌが1865年に書いた「月世界旅行」が始まりと言われます。

この作品のストーリーは「巨大な砲弾の中に入って月に飛んで行き、そこで月人に襲われ、再び砲弾に乗り込んで地球に落下して帰ってくる」というもの。

現代の視点で見ると完全にファンタジーでも、当時としては正しい科学知識を使用。また、時代設定も当時の現代世界。なのでサイエンス小説だけども、サイエンス「フィクション」小説とは言いにくいのですね。

初期SFの完成

初期SFにも細かいジャンル分けはありません。イギリス人のH・G・ウェルズによって1895年に書かれた「タイム・マシン」が本格的なSF小説の開祖でしょう。

タイムマシンの特徴は、科学的知識を多く使いながらも遥か未来の架空の世界を描いている点。ここで、科学知識を土台にしながらも現実とは違った世界を描くというサイエンス「フィクション」小説が生まれるのです!

ウェルズさんはタイムマシンの他にも蛸型火星人・透明人間・冷凍睡眠装置・最終戦争・人類の終わりといったSFで良く使われるテーマを発明しています。ウェルズさんすごい!

スペースオペラ

ヨーロッパで生まれたSFがアメリカに持ち込まれると、また変化が生まれます。当時のアメリカでは「ヒロイック・ファンタジー」と呼ばれるファンタジー小説が流行していました。

これは別名「剣と魔法の物語」とも呼ばれ、架空の世界を舞台にした美男と美女のヒーロー活劇。

このヒロイック・ファンタジーの舞台として火星を使ったのがエドガー・ライス・バローズの「火星シリーズ」。これはSFとして見れば科学知識などがめちゃくちゃですが高い人気を得ます。

この火星シリーズの流れを受けて、1920年代に生まれたのが「スペース・オペラ」。宇宙を舞台にしたヒーロー物語であり、科学知識を使ってはいますがリアリティは重視してません。

まぁ、SFおよび宇宙空間というものが物語の身近な舞台になってきた時代だと言えるでしょう!

ハードSFの登場

リアリティを重視しなかったスペース・オペラへの反動として、より正しく厳密な科学知識を取り入れた「ハードSF」が1940年代に登場。

天文学・物理学・化学・数学・工学技術などの正確で論理的で厳密な描写と、これらの科学知識に裏付けられた理論上可能とされるアイディアが展開されるジャンルですね。

また、この時期にはそれまでSFに見向きもしなかった大手の出版社・雑誌がSF作品を刊行掲載するようになりました。SFの社会的地位と市場規模は一気に拡大し、多くの作家・読者が加わっていくことに。

ニューウェーブSF

1960年代にあると、ハードSFへのさらなる反動が起きます。それが「ニュー・ウェーブSF」。

物語の方向性をを外宇宙(現実空間の宇宙)から内宇宙(人間の精神世界)に、内省的・思想的にしたもの。フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」が代表的な作品だと言われます。

サイバーパンクの誕生

1984年にウィリアム・ギブスンが『ニューロマンサー』を発表。コンピュータ・テクノロジーとそれによって大きく変化する社会に着目したサイバーパンクが人気となります。どうして、この時期にサイバーパンという新ジャンルが生まれたのか?

それは当たり前ですが、コンピューターおよびインターネット技術が社会に知られるようになったから。現実の科学技術・科学知識が変化すると、SFも変化。


↑電子空間の発展・人間とコンピューターの接続、サイバーパンク

それぞれのジャンル名を見るだけでは理解しにくいですが、

(科学小説)→初期SF→スペースオペラ(娯楽的要素が強くなる)→ハードSF(スペースオペラへの反動)→ニューウェーブSF(ハードSFへの反動)→サイバーパンク(インターネットの登場)、

という流れで見ると少しは分かりやすくなるかも?

日本の場合、本格的なSFが始まるのは戦後。1954年には日本初のSF雑誌〈星雲〉が刊行されます(ただし、創刊一号のみ)。その後、様々なSF本・雑誌が出版されいていくことに。

また、海外SFの始まりは小説でしたが、日本だと手塚治虫の「鉄腕アトム」を代表に漫画・アニメよって知名度が上がり社会に広がった部分も大きいと言えるでしょう。

ファンタジーとの違い?

さて、このSFというジャンル全体も定義が難しいもの。ファンタジーと違って科学的な要素・視点が必要だとされていますが、やはりフィンクションであり空想なわけで、はっきりした線引きはしにくい

ロバート・A・ハインラインは、

「読むことのできる大半のサイエンス・フィクションの手軽で簡潔な定義は、過去や現在の現実社会や、科学的手法の性質と重要性の十分な知識に基づいた、可能な未来の出来事に関する現実的な推測」

と述べました。しかし、未来ではなく過去を扱ったSFもあります。

ファンタジーとの違いという話なら、ロッド・サーリングと言う人は

「ファンタジーは不可能な事を起こりそうに描いたもの、サイエンス・フィクションは起こりそうも無い事を起こりそうに描いたもの」

と述べています。中々分かりやすい説明では。

さて、ここからは個人的な意見です。ファンタジーとSFの大きな違いの一つは「その世界の文明が進歩していくか否か」ではないでしょうか?

少し想像してみてください「中世ヨーロッパ風のファンタジー世界が、文明の発達によって機械を使うようになった」これって、世界観が崩壊してますよね?

「個人の魔力に頼るなんてもう古い! これからは触媒を使った機械の時代さ」なんて言い出したら嫌な感じ(笑)

しかし、「太陽系を舞台にしたSF世界が、文明の発達によって銀河全域に文明を広げられるようになった」こっちは世界観は変わってません

「新エネルギーの発見と宇宙船の改良で、人類の行動範囲はさらに広がった!」これはOKでしょう

要は、ファンタジーでは文明や学技術が発達すると世界観が崩壊します。その世界の文明レベルは大きくは変化しません。

一方、SFでは文明が発達しても世界観は崩壊しません。その世界の文明レベルは発展を続けていくでしょう

これが私の考える、ファンタジーとSFの大きな違いです。みなさんはどう思われます?

 

SFはサイエンス(科学)フィクションの名前の通り、現実の技術とも関係が深いジャンル。それについては↓の記事で書いてます。

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まとめ

・人気あるジャンル!

・SFの魅力とは何か? 「未来の科学技術」と「手つかずの大宇宙」、そして「思考実験」という3つが中心的じゃないかと。

・「SF」という言葉が出てきたのは1920年代。始まりは小説。

・SFの中にも色々と種類があって、名前も色々と。(科学小説)→初期SF→スペースオペラ(娯楽的要素が強くなる)→ハードSF(スペースオペラへの反動)→ニューウェーブSF(ハードSFへの反動)→サイバーパンク(インターネットの登場)、という流れ

・日本で本格的なSFが始まるのは戦後。また、手塚治虫の「鉄腕アトム」を代表に漫画やアニメよって社会に広がった部分も大きい。

・ファンタジーとSFの大きな違いは「その世界の文明が進歩していくか否か」では? SFの世界観は文明が進歩しても崩壊しない

 

 

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