ピエロとクラウンの違いとは ~最近は恐怖のイメージも?~

ピエロとクラウンの違いって、知ってます? 日本だと区別されてないですよね~。西洋には色々な道化師がある!

というわけで、今回のテーマは「クラウン・ピエロ・道化師」。どれも人々を笑わせる職業のことですね。

ピエロとクラウンは別もの!

↓これはクラウン(この記事の画像は、全てウィキペディアより)

↓こっちがピエロ

まず、サーカスで人々を笑わせるのは(サーカス)クラウンという職業。みなさんがイメージする奴ですね。サーカスにおける司会、芸と芸の間をつなげていく役割をします。

これに対し、ピエロは無言演劇の中で誕生したキャラクター。ヨーロッパにおける本来のピエロは「白い」んですよね。

この白さは無実であることや死者の冷たさを表し笑いの中にも悲しみ・謎・哀愁を持つキャラクター。顔に涙のマークがあったりもします。

ルーツも雰囲気も違うんですね。みなさん知ってました? 私は知りませんでした! 基本的には日本人のイメージする「ピエロ」は、実際には「クラウン」だと言えます。

赤鼻で派手な姿なのはピエロじゃなくてクラウン。時々「涙マークがあるクラウンがピエロ」というような説明がされたりもしますが、そもそも別ものだと思った方が正確でしょう。

まぁ、今の日本では区別してる人がほぼいないので、そこまで正確に言い分けなくても問題ないでしょうけどね~。

クラウンとして活動している「QAVO」という2人組のホームページから引用させていただくと、

日本ではどうやら、ピエロの印象がとても強かったので、クラウンそのものを「ピエロ」と呼ぶことが一般的になってしまったようです。(中略)

昭和30年代ごろからと推定されますが、なぜ、日本ではクラウンぜんぶを「ピエロ」と呼ぶようになってしまったのかはよくわかっていません。(中略)

欧米ではピエロというのはすでに死語になってしまっているため、海外のクラウンのなかには、「ピエロ」と言うのは「クラウン」の日本語訳なのだと思い込んでいるアーティストもいるぐらいです。(中略)

これを読んだみなさんは、どうか、ピエロではなくクラウンと言って下さいね。

今の欧米ではピエロという言葉は使われてないみたいですねぇ。

そして、クラウン・ピエロのように自分の演技で観客を笑わせる人々を「道化師(clown)」と呼びます。

つまり道化師(clown)の中にサーカスクラウン(Circus clown)とピエロ(pierrot)
があり、この2つは別もの。
そして、現在ではクラウンと言えばサーカスクラウンを指すのが一般的。

また、道化師の笑いは間抜けなことや滑稽な言動をして人々に「笑われる」感じが強いですね。

西洋の道化師

サーカスクラウン

現在のクラウンは、↑で書いたようにサーカスに出てくる人々が出発点。クラウンという言葉は「のろま・ばか・おどける・ふざける」などの意味を含むもの。18世紀に登場したサーカスにおいて、間抜け役を演じていた役者が自らをクラウンと名乗ったのが定着したとされます。

また、サーカスという形式が確立する以前からヨーローッパでは旅芸人の文化がありました。その中で手品などをやっていた人が古いルーツだと言えるでしょう。

ピエロ

ピエロの源流は演劇にあります。16世紀のイタリア北部で生まれた「コンメディア・デッラルテ」という即興喜劇があり、これは特定の決まったキャラクター達を演じるものでした。

その中の「アルレッキーノ」という道化役・トリックスターがヨーロッパ中に広がっていき、ピエロのルーツになったとされます。

↓アルレッキーノ

アルレッキーノはパントマイムなども行う役で、特にフランスで人気に。道化役というよりも主役的な扱いをされるようにもなり、そうなると別の道化役が必要になっていきます。そこで誕生したのがピエロであり、アルレッキーノと比べて暗い芸風の道化役なんですね。

宮廷道化師

日本で有名な道化師と言えばクラウンとピエロだけど、この2つが出てくる前からヨーロッパには道化師および愚者(おろかな者)の文化がありました。

その中でも代表的なのが「宮廷道化師」でしょう。英語ではjester、発音としてはジェスターが近いでしょうか?

彼らは中世の時代に王侯貴族に雇われていた道化師。旅芸人のように移動しながら不特定多数の人と美とに芸を見せる生活ではなく、特定の権力者と固定的な関係を持っていました。

芸風としてはジャグリングなどの曲芸よりも、ジョークや風刺といった言葉で笑いを取るのが主流だったようです。

犬などと同じく「所有物」であり、また小人症などの肉体的障害を持っている人が多く、笑い物として扱われていました。

しかし、その立場から主人に対して無礼な発言をしても許される貴重な存在でもあったのです。笑い・冗談・風刺・パロディを目的とした人々なのに、言動を制限してちゃ何も面白くないですからねぇ。

近代に入ると宮廷道化師の伝統も無くなりますが、現在でもお祭りでは宮廷道化師の仮装は見られるようですよ~。

このようにヨーロッパでは古くから道化師の文化があり、初めは裕福な王侯貴族に雇われた宮廷道化師、その後には一般市民も余裕を持ち始めクラウン・ピエロなどの大衆的道化師が誕生してきたと言えるでしょう。

ちなみに、トランプの「ジョーカー」は宮廷道化師が元になっているとのこと。

ピエロ恐怖症

ところで、「ピエロが怖い……」って人は結構いるらしいんですよね~。ピエロ恐怖症なんて言葉もあるぐらい! (まぁ、この「ピエロ」は始めに書いたように実際にはクラウンだと思いますけど。クラウン恐怖症の方が正確なのでは。)

確かに、クラウン・ピエロって異様な姿なのは事実でしょう。白く塗られた顔、派手な赤色、青・緑・紫などの毒々しい化粧……怖いと思う人いるのも良くわかります。

う~ん、少なくとも夜に出会いたくない(笑)

最近では「クラウン・ピエロ=ホラー、殺人鬼、悪役」というイメージも広がってきていて、「マーダー(殺人鬼)クラウン、殺人ピエロ」なんて言葉も見られます。

道化師をモチーフにしたホラー作品、みなさんも一度ぐらいは目にしたことがあるのは? アメコミのバットマンに出てくる「ジョーカー」もクラウン的なイメージの有名悪役でしょう。また、普通のクラウンではなくマーダークラウンの仮装なんかもあるようですね~。

↓マーダークラウン系の仮装

こういった恐怖のイメージの元ネタとしては、実在の大量殺人犯ジョン・ケイシーが有名です。彼はクラウンの格好をして少年たちと仲良くなってから自宅に招き殺害を繰り返したことから「キラー・クラウン」の異名が。

さらに、このジョン・ケイシーをモチーフにしたホラー小説を、あの恐怖作家スティーヴン・キングが書いてしまいました。これら2つの影響で、すっかり恐怖のイメージが固まることに。

いやはや、本業として人々を笑わせるクラウン・ピエロとしては困った話なのでは? 世の中、何がどうなるか分かりませんね(笑)

と言っても、ある程度は当たり前の話なのかも? 笑いも恐怖も、常識の外にあるものということでは共通なので。普通じゃないから笑いが起き、普通じゃないから恐怖を感じる。

クラウン・ピエロは笑いを目的として奇妙な姿をしているわけですが、奇妙な姿というのは恐怖を感じやすいものでしょう。

まとめ

・日本人のイメージする「ピエロ」は、実際には「クラウン」。

・ヨーロッパにおける本来のピエロは白い。笑いの中にも悲しみ・謎・哀愁を持つキャラクター。顔に涙のマークがあったりも。源流は無言劇。

・自分の演技で観客を笑わせる人々を「道化師(clown)」と呼ぶ。その中にサーカスクラウン(Circus clown)とピエロ(pierrot)があり、この2つは別もの。

・「ピエロが怖い……」って人は結構いるらしい。ピエロ恐怖症なんて言葉も!

・最近では「ピエロ(クラウン)=ホラー、殺人鬼、悪役」というイメージも広がっている

・ある程度は当たり前かも? 笑いも恐怖も、常識の外にあるもの。

 

 

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道化師の派手な衣装って、ある意味では仮面みたいなものでは。ついでに両方ともホラーな雰囲気が

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