『男根崇拝』とは? ~生殖と豊穣の棒~

男のアレ(♂)を祭る風習というのは世界各地に存在します! ついでに、女陰崇拝が少ない理由も考えてみますよ~。


↑日本の「棒石」(この記事の画像は、すべてウィキペディアより)

というわけで、今回のテーマは「男根崇拝」。男性の生殖器の形をしたものに健康・子だくさん・豊穣などの意味を持たせ信仰崇拝すること。古代の時代から世界各地にある考え方ですね! 英語だとphallus worshipまたはphallicism。

関連する言葉として「ファルス (phallus) 」があります。これは勃起した男根あるいは男根のような形をしたオブジェを指す言葉。

ちなみに女性の生殖器(女陰)を崇拝するのは「女陰崇拝」であり、まとめて「生殖器崇拝」と呼びます。

男根崇拝

現在ではアレが大きいほうが男らしい・モテるといった方向性ですが、昔からの男根崇拝は個人的なサイズアップが目的ではありません(笑) 生殖器への信仰を通して、子宝・豊穣を祈るのが基本。

古代ギリシャのポンペイなんかが有名では。ポンペイは性的にも開放的であり、男根は生命力の象徴。町中の壁画・彫刻・生活道具のなかに堂々と大きなアレが表現されています。

魔除けの意味もあったそうで玄関などにもドドーンと置いてあったそう。

生命力の象徴なので、超でかい! リアルの巨根とかそういうレベルじゃない(笑) 腕のような太さと長さ、現実に再現したらカオス!


↑でかい(笑) 本当は先っぽまで描かれているんですが、ここは全年齢なのでカット。

古代エジプトにおいて男根は豊穣のシンボルで、つねにビンビンの神さま「ミン」なんてのも。

古代ギリシャでは、ヘルメースの息子とも言われる「パーン」は、勃起した男根を誇張して描かれることが良くあります。

プリアーポス (Priapus) はギリシアの豊饒の神で、そのシンボルは誇張されたファルス。プリアーポスは家畜類・果樹・男性性器の保護者でした。ちなみに「持続勃起症 (Priapism) 」は「プリアーポス」から派生した言葉だそうですよ。

その他、古代ローマの人々が邪視に対するお守りとしてファルス的な宝石を着けていたり、北欧神話の神フレイは男性の生殖力と愛を表現するファルス的神さま。このように男根崇拝というのは世界中にあるもの。

まぁ、生殖および子孫繁栄というのは生き物にとって超重要。それに関わる生殖器を直接的に神格化・崇拝するのも自然なことだと言えます。

日本における信仰

日本にも数多くの男根崇拝があります。例えば「石棒」は縄文時代の男根の形の石器であり、呪術・祭祀に使われたと考えられています。

金精神(こんせいしん)・金精様は、男根の形をした御神体を祀った神さま。金精神を祀った神社は全国各地にありますが、特に東日本の東北地方から関東地方にかけての地域に多くあるとのこと。

今でも男根を祀る神社・祭りは存在しています。田縣神社(愛知)の豊年祭では男性たちが「大男茎形(おおおわせがた)」という巨大な男根型の神輿を担いで行進。

金山神社(神奈川)のかなまら祭でも巨大男根が登場。その他、調べてみると現代でも意外と男根崇拝・女陰崇拝が残っていたりするようです。


↑かなまら祭り。赤いのがアレ(♂)

男根崇拝の方が多い理由は?

男根崇拝だけでなく、女陰崇拝も世界各地にあります。例えばインドでは男根および最高神シヴァを表すリンガと共に、女陰を表すヨーニも同時に崇拝されています。ヨーニの中にリンガが置かれ牛乳をかけたりするとのこと……さすがインド!


上の棒がリンガ(男根)、下の台がヨーニ(女陰)。男根が女陰の中にあるとは直接的です(笑) しかも牛乳とは……!

しかしながら、世界全体を見てみると男根崇拝の方が女陰崇拝より多いんですよね。その理由は何なんでしょうか!?

まぁ、単純な話で「形・見た目の分かりやすさ」だと思います(笑) 男根って、見た目がすごく分かりやすい。要は棒。棒状の物を作っとけば「これは男根なんだな!」って分かるわけで。絵にもかきやすい。

これに対して、女陰って表現しにくい(笑) 毛に隠れてるし、形が微妙。貝に例えられたりもしますが……「これが女陰だ!」って物が作りにくいと思いません?

男らしさの象徴として巨大な男根を描くのはいいんですが、じゃあ、女らしさの象徴として巨大な女陰を描けばいいのかというと……? 「巨大な女陰」を持つ女性って、イメージしにくいような。

代わりに、分かりやすい女らしさの象徴というのは胸・おしりが一般的でしょう。女性の生命力・豊穣の象徴として巨乳が描かれるのは世界各地にありますから。

まとめ

・男性の生殖器の形をしたものに健康、子だくさん、豊穣などの意味を持たせ信仰崇拝すること。日本を含めて世界中にある。男根を特徴とする神様も多数。

・生殖および子孫繁栄は生き物にとって超重要。それに関わる生殖器を直接的に神格化・崇拝するのも自然。

・世界全体を見てみると男根崇拝の方が女陰崇拝より多い。その理由は見た目の分かりやすさでは(笑) 男根は簡単だが、女陰は表現しにくい代わりに胸が注目される

 

逆に、美術の世界では男根は邪魔もの?

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