日本人には「公用語」という発想がない、だから多言語が苦手?

日本には「公用語」という発想がない

母(国)語は日本語で、外国語として英語を勉強する。日本人ってこういう考えですよね。日本語以外の言語は外国語であって、外国人とコミュニケーションするために必要なものだと。

ここまで読んで「母国語があって、それ以外は外国語って当たり前じゃないか?」と思った人、実は全然当たり前じゃないんですよ! それは日本人にとっての当たり前であって、世界的には全然当たり前ではない。

世界には「公用語」(official language)を定めている国が多くあります。公用語とは、ある組織の中において使用することが公式に決められた言語のこと。つまり、「この言葉を使ってください」と法律などのルールで決められた言葉。

なんで公用語をわざわざ決める必要があるのかというと、1つの国の中で多くの言語が使われているからですよ。

みんなが別々の言葉で情報をやりとりすると面倒だから、「重要なことにはこの言語を使いましょう!」と決めてある。1つの国の中で、複数の公用語がある場合もありますけどね。

日本人にとっては母国語=母語=日本語です。しかし、国によっては母語(幼少期より自然に使っている言語)と公用語が違うことも多くあるのです。

例えば、インドネシアについてウィキペディアから引用してみると

公用語はインドネシア語であり、インドネシアの国語となっている。会話言語ではそれぞれの地域で語彙も文法規則も異なる583以上の言葉が日常生活で使われている。

583以上の言葉! すごいですねぇ。1つの国の中にこれだけの言葉が。こんな状況でそれぞれが好き放題に言葉を使うと国がまとまらないので、インドネシア語を公用語として決めているわけです。

日本には法律で定められた公用語はありません。なぜかと言えば、決める必要がなかったら。少なくとも第二次世界大戦後の日本では、日本で生まれた人はほぼ100%日本を話せたので公用語を法律で決めなくても困らなかったんですよね。

日本人なら日本語を話せるってのが当たり前すぎた。

日本人は1つの言葉だけで生活できた

今まで書いてきたように日本人には公用語という発想が根付いていません。母語としての日本語があって、それ以外はすべて外国語。国の中で必要である「公用語」というものがない。

これが日本人に英語などの外国語を上手く学習できない人の多い理由の1つでは? 「生活に必要なのは1つの言葉だけじゃないか。他の言語を学習するなんて一部のエリートだけでいいはず」そんな風に感じてる人が多いんじゃないでしょうか。

というか、少なくとも私は高校生の頃はそう思ってました(笑)

公用語がある国では「別に外国に行くわけでもなく自分の国の中だけで生活したいだけなのに、2つ以上の言語を覚えなくてはならない」という状況が普通に発生します。

外国語なんて生活には直接必要ないかもしれませんが、公用語は絶対に覚えておいた方が便利でしょう。公用語が使えないと自分の国ことも分からないからです。

公用語のある国の人にとっては複数の言語を学習して使い分けるというのは当たり前のことなのでは。

そして、そういう環境に生まれ育った人は外国語を学習することにも抵抗感がないんじゃないかと思います。元々、母語以外の言語を学習しているわけですからね。

まとめ

・日本人にとっては母国語=母語=日本語。しかし、国によっては母語と公用語が違うこともある。

・公用語のある国の人にとっては複数の言語を学習して使い分けるのは当たり前。

・日本人には公用語がないから多言語の使い分けが苦手なのでは