『神話』とは何か? ~昔の人が作り出した、世界を説明する物語~

現代のファンタジー作品にも、非常に強い影響を与えていますよね! 昔の人の想像力ってのはすごいものです。

というわけで、今回のテーマは「神話」。世界の誕生や自然現象などを、神・英雄などの言動という形で説明する物語のことですね。

英語で言えばMythまたはMythology。Mythologyには「神話を研究する、神話学」という意味もあります。

↓イザナミ・イザナギの日本創成神話(画像は全てウィキペディアより)

↓ギリシャ神話 ゼウス

↓北欧神話 雷神トール

今では信じている人は少ないでしょうが、当時は現実だと思われていたのであり娯楽的な創作ファンタジーとは区別されます。

 

現在でも大きな存在感!

各国の神話って、今でも存在感ありますよね~。ギリシャ神話・北欧神話・日本神話などを筆頭に日本の娯楽作品にも強い影響を与えています。

多くの人が多くの作品を作っていますが、神話以上に多くの人に親しまれ影響力を持つ作品を作ることは難しいでしょうね。

世界の神話に起源を持つ言葉は、現在の作品でも非常に多く出てきます。例えば、アマテラス・ツクヨミ・スサノオ・ゼウス・ポセイドン・ハデス・キューピッド・ヘスティア・アルテミス・オーディン・グンニグル・ラグナロク・ラー・オシリスなどなど……

人名・モンスター・魔法の名前・地名とかに良く使われてますよね! 調べてみると意外な単語が神話を元ネタにしていたりします。

もちろん、単語だけでなく世界観を参考にした作品も色々とありますし、神話を直接的に題材にしているパターンもあります。現在の娯楽・サブカル作品の元ネタを考える時に、神話は絶対に避けて通れない偉大な存在。

今に伝わる比較的有名な神話としては日本神話、ユーカラ(アイヌ神話)、中国神話、インド神話、アラビア神話、イラン神話、バビロニア神話、メソポタミア神話、ウガリット神話、ギリシャ神話、ローマ神話、ケルト神話、ゲルマン神話、スラヴ神話、北欧神話、フィンランド神話、旧約聖書、エジプト神話、マヤ神話、アステカ神話、インカ神話、ハワイ神話、朝鮮神話(檀君神話)などなど。

特徴と役割

初めに書いたように、神話ってのは世界を説明する物語。創世神話(=世界が作られた時の物語)なんかが典型的。科学の無い時代では世界に多くの不思議と謎がある訳で、その理由を考えてみたくなるのは当然でしょう。

神話の登場人物は、神または超人的な英雄が基本。それらの行動を通して、現在の世界が出来上がったと説明する。

さらに、そのような説明を前提として社会のルールを定めたり道徳心を高めたりすることが神話の役割だともされます。

「神々がこう決めたのだから人間はそれに従って生きなければいけない。」「悪いことをすると、怖い神が支配する場所に送られる。」「昔の英雄のように、誇り高く勇気を持っていきるべし。」

まぁ、こんな感じでしょうか。人々を1つの社会にまとめる作用があるんですね。この部分は宗教とも近いでしょう。

神話は民族・文化を単位として作られ世界中に存在します。現在の日本で知られている数より、はるかに多くの神話があるってこと。

さらに言えば、民族・文化の衰退と共に消えてしまった神話ってのも数多くあったのでしょう。また、侵略などによって民族文化が吸収されたときに神話も吸収された事例も複数。神話ってのは人間の想像力の結晶、消滅してしまうのはもったない話ですね……

神話、伝説、昔話

この3つは学術的には区別されます。神話は物事の始まり・始原について説明するのが特徴。これに比べて伝説と昔話は、過去のとある出来ごとについて描写します。世界の始まりが神話であり、世界が出来上がった後の出来ごとが伝説・昔話。

また、伝説は基本的に人間が主役。過去の実際の出来ごとが土台になっていることも多数。神話と同じく伝説も真実の物語だとされます。有名な所だとアーサー王伝説など。こういうのは現在でも信じている人がいるでしょう。

昔話の場合は、事実だとは思われません。日本だと「むかしむかし、ある所に~」でお馴染みのパターン。教訓的な意味などを含んだ空想の物語だとされます。というか、ある意味で空想か事実なのかは大した問題じゃない。その話に含まれる教訓部分がメインであって、真偽はどうでもいい。

桃太郎なんかは分かりやすい。「桃太郎って人が実在した!」って信じてる人はいないはず。それでも別に問題なし。鶴の恩返し、これも他者を助けると自分に良いことが返ってくるという教訓的な部分だけが重要であり、話自体は事実でなくても困りません。

神話と宗教の違いは?

ついでに、神話と宗教の違いについても考えてみます。これは私の個人的な意見であって学術的な区別じゃないのであしからず。

今まで「神話は世界を説明する物語」だと書いてきましたが、宗教にも同じ部分はありますよね。多くの宗教には世界誕生の物語、世界の構造を説明する内容が含まれます。社会にルールを与え、人々を1つにまとめる所も同じだと言えます。

では、神話と宗教の違いは何か? それは「人間の救済が主目的であるかどうか」だと私は考えます。神話は過去および現在の真実という設定。そして、そこから直接的には人間の救済に結びつきません。

あくまで神が主役であり、人間はオマケ。神を怒らせてはいけませんが、神に救ってもらうことが主目的の物語ではない。まさに「神の話」であって人の話じゃないって感じでしょうか?

対して、宗教というのは現在および未来について示すものなのでは? 宗教の主目的は未来において救済されることであって、過去の部分はオマケでしょう。未来における人間の救済が主目的の物語なのです。

神が主役なのか、人間が主役なのか。過去の真実なのか、未来の救済なのか。そういった部分が神話と宗教の違いだと感じますね。

神話の生まれ方

神話が誕生するパターンには複数の学説があります。まぁ、1つだけが正しいというわけじゃなく様々なパターンが同時並列的に存在するのでしょうけれども。

擬人化

神話は自然現象や無生物の擬人化によって誕生したという説。自然崇拝→アミニズム→神話、という感じでしょうか。割と理解しやすいパターンですよね。太陽・嵐・雷・死などは擬人化されて信仰の対象になりやすいもの。

寓話

自然現象などを扱う寓話(=比喩表現を含んだ教訓的、道徳的な物語)が神話に変化していったという説。

ざっくり書いてしまうと「空気が怒ると嵐になる。怒りというものは、周りに被害を与えるんだよ。」というお話が、時の流れによって変化して「嵐になるのは大気の神が怒っているからだ!」みたいになる感じでしょうか?

エウヘメリズム

歴史的な事実に対する説明が、時間によって変化して神話になったという説。この説に従うと多くの神々に実在のモデルが存在したことになりますね。↑で書いた「伝説」とほぼ同じパターン。

まぁ、現代社会でも話が大げさになっていくことは良くあります。そう思えば無いとは言えませんねぇ。

父権制の成立

人間の共同体が男性優位になっていく中で、その根拠・説明として神話が作り出されたという説。確かに神話の最高神ってのは男性神が多い気がしますね。

「世界は男の神によって作られた。過去の英雄も男だった。だから、男の方が女より偉いのだ!」という理屈でしょうか。

他にも神話の誕生については色々な学説があるよう。また個人的な意見を書くと、世界の多くの神話で太陽神が共通して高い地位に居ることを考えるなら、やはり擬人化のパターンは確固としてあるんだろうとは思います。自然現象の偉大さが、神話を作ったのは間違ないでしょう。

 

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神話の研究

神話に対する研究というものも世界各地で行われてきました。なんと早くも古代ギリシャ時代には事例があります。

エウヘメロスという人は↑のエウヘメリズムを発案し、「神話は誇張され変質した過去の出来事であり神々が実在するわけではない」という意見を述べています。いやー、流石は古代ギリシャ文明。色々と考えが先進的!

19世紀からは様々な学問が神話を研究するようになります。民族学や心理学などなど。神話ってのは民族・文化を反映するもの。研究することで多くのことが分かる。

また、比較神話学なんて学問なんかもあります。世界各地に存在する神話を比較して、共通する部分などを探すという研究。実際に神話って似たような部分も多いんですよね。

↑にも書きましたが太陽神ってのは多くの神話で高い地位にいますし。神話の共通点を研究することは人類全体の共通点を研究することでもあるってこと。

偉大なるファンタジー作品

神話ってのは、超一級品のファンタジー作品でもある。今となっては事実だと信じている人は少ないでしょうが、だからといって無価値になったわけではありません。

単純に娯楽作品として見ても面白いもの。2000年以上の時を超えて人々に楽しまれる素晴らしき名作、それが神話。圧倒的なスケールの神々の物語。勇気と誇りを持って戦い抜いた英雄。恐怖をまき散らす様々な怪物。摩訶不思議な魔法と道具の数々……

また、非常に多くの物語のパターンが神話の中には登場します。愛の物語、復讐の物語、勇者の物語、冒険の物語などなど……現代の物語の原型は、すでに大昔に登場していました。

多くの物語は神話を土台にして誕生したと言えるでしょう。現在ってのは過去からの積み重ねによって出来ているものですねぇ。

まとめ

・信じてる人は減ったが今でも存在感ある。ギリシャ神話などを元ネタにした言葉は、現在の作品でも非常に多く出てくる。

・神話ってのは世界を説明する物語。創世神話なんかが典型的。

・民族の文化であり、人間の想像力の結晶。消えてしまうのはもったいない……

・神話と宗教の違いは何か? それは「人間の救済が主目的であるかどうか」では。神々の物語であり、直接的な人間の救済にはつながらない

・自然現象の擬人化が、神話につながったのは間違いないと思う。

・多くの物語は神話を土台にして誕生した。現在ってのは過去からの積み重ねによって出来ているもの。

 

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