オマージュ、パロディ、パクリ それぞれの違いと共通点について

よく聞く言葉ですけど意外と分かりにくいですよね~。何にせよ、先人のアイディアを参考にしてるって所は同じでしょう!

というわけで、今回のテーマは「オマージュ、パロディ、パクリ」。それぞれの特徴などを見た後に、違いと共通点を考えてみます。

①オマージュ

まずは『オマージュ』について。「尊敬、敬意」という意味の単語。これはフランス語でhommageと書きます。英語のリスペクト(respect)も同じような言葉。音楽関係だとトリビュートも似た意味。

創作の分野だと、「尊敬する作家・作品に影響されて似たような作品を作ること。過去の作品を敬意を持って参考にすること」といった感じになります。

ポイントは「尊敬の気持ちがある」ところ。影響を受けた人・作品に対して尊敬の気持ちがないとオマージュではない!

小説・音楽だと「この作品は、~に捧げる」なんて書いてあったりしますよね。そういうのがオマージュ。ただし、オマージュというのは「製作者の思い」であることが多いので、はっきりと元ネタを表明してないことも。

分かる人に分かればいいし、分からない人にわざわざ分からせるつもりはないってパターン。消費者に対するアピールよりも製作者自身の尊敬の気持ちという感じでしょうか?

②パロディ

次は「パロディ」に関して。これは、他の作品を批判・風刺・笑いなどを目的として改変したり模倣したり引用すること。英語であり、parodyと書きます。

多くの創作の分野でみられる行為であり、音楽なら替え歌、サブカル界隈ならパロディネタなど。

サブカル界隈ではギャグシーンにおいてよく使われてます。ドラゴンボールネタ、ジョジョネタなんかは定番?

この「パロディ」という言葉は古く、語源は古代ギリシアまでさかのぼります。

元々のパロディは他の詩歌を真似した詩歌のジャンル。大昔から他の作品を模倣することでさらなる面白さを生みだすってのはあったんですね。

日本でも「本歌取り」という和歌の技法が。これも元ネタの作品を改変したり引用することで面白さを作り出すもの。

オマージュとの違いとしては、元の作品を批判したり馬鹿にしてる場合もあるってこと。オマージュは元ネタに肯定的だけど、パロディは否定的なこともあります。

また、元ネタがはっきりしているのもパロディの特徴。元ネタが分かるからこそパロディが面白い。

例えば、替え歌は原曲を知らないと面白さが分かりませんよね。オマージュは元ネタが分からなくても面白いけど、パロディは元ネタが分からないと微妙。

パロディは明らかに元ネタを利用する以上、著作権的には怪しい部分もあります。特に否定的なパロディは問題になりやすいでしょう。

著作権・パロディについては国ごとに法律で許される範囲が違いますが、面白い国で言えばフランスなんかはパロディは著作権侵害でないと明確にされていたり(パロディ条項)。流石は風刺・皮肉・ジョークの国ですねぇ。

③パクリ

最後は「パクリ」。盗作・他の作品を盗用すること・アイディアを盗むことなどを意味します。↑の2つと違い、これは絶対やっちゃだめですね!

これは日本語であり、元々は「ご飯をぱくりと食べる」といった風な擬声語だったと言われています。そこから「犯人をぱくっと捕まえる」「物をぱくりと盗む」というような感じに犯罪関係に意味が広がります。

それがさらに転じて「盗む、盗用する」という意味合いになったとのこと。大正時代には、すでに犯罪関係の用例が。借りパク(借りたまま物を返さない)なんて言葉もありますねぇ

さて、パクリの特徴は「元ネタが無い、自分自身のオリジナルだと勘違いさせること」でしょう。

オマージュ・パロディは元ネタを消費者に伝えた上で、それを利用して面白さを生みだします。しかし、パクリは自分自身のオリジナルだと勘違いをさせるわけで。元ネタの存在は消費者に隠そうするでしょう。

ニコニコ大百科というサイトに名言があったので引用させていただきます。まさに、これですね!

24 : ななしのよっしん :2009/12/07(月) 00:34:41 ID: ztzXY8MGSe
ばれちゃ困るのがパクリで、ばれなきゃ困るのがパロディ
― パロディについて語るスレ#24より

パクリは元ネタの面白さ・名誉・利益を盗んで自分の物にしようと思っているわけであり、悪質。本当は元ネタの方に向けられるべき正当な評価を奪ってしまうことに。

ひどい場合になると、元ネタの方がパクリ呼ばわりされる状況を引き起こしたりも! これはオマージュ・パロディではありえない問題。

ただし、単純に似ているだけ、なんてこともあるので注意が必要。今時、完全なオリジナルとか不可能なので。

ある程度は過去の作品に似ている部分が出てくるのもしょうがない。特に音楽関係では多いでしょうか。人間の可聴音域は固定されてますし、心地よいメロディーラインってのも有限ですからね。

3つの言葉の整理

意味元ネタとの関係性著作権の問題
オマージュ尊敬・敬意をもって参考にする基本は明示法律と、著作権者の態度による
パロディ批判・風刺・笑いのために
元ネタを利用
明示法律と、著作権者の態度による
パクリ盗作、アイディアを盗む無表示・隠蔽法律と、著作権者の態度による

ざっくり表にすると、こんな感じでしょうか? それぞれの内容は今までに書いたからいいとして、改めて注目したいのは最後の著作権の部分。

もちろん、パクリと判断されれば著作権侵害で違法です。しかし、オマージュ・パロディでも著作権者が権利侵害だと訴えて裁判所で認められば違法に。

日本の場合、権利侵害かどうかは著作権者が判断して、裁判所が法律を元に最終決定します。オマージュ・パロディをする側が決めることじゃない。著作権者が不愉快に思い、権利侵害だと思えば訴えられてしまします。そこは注意が必要!

共通点、過去の作品は資源である!

さて、今まで見てきた3つの言葉の共通点は「過去の作品・アイディアを利用している」という点。いや、当たり前なんですが(笑)

やっぱり、過去の作品から得られるものってある。完全にオリジナルなものを作り出すなんて不可能。過去の作品を利用しつつ、新しい面白さを作り出していくのは当然のことでしょう。

科学技術とかは分かりやすいのでは。新発見だって、過去の技術を利用して生まれるもの。過去の技術の利用を否定してしまったら新発見もできませんよ。

芸術や創作も同じ。過去の作品・アイディアは新しい面白さのための資源。利用すること自体は普通のことであり、利用の仕方にルールがあるだけだと言えます。過去の先人達も、さらにその先人たちの作品を活用してきたわけですし。

現代の西洋風ファンタジーなんてギリシャ神話・北欧神話を利用しまくってますからねぇ。赤ずきんを元ネタにしたキャラクターとかも多いでしょう。

恋愛ものならロミオとジュリエットを元ネタにした作品は色々とありますし、そもそもシャイクスピア自体がさらに古い時代の物語を参考にロミオとジュリエットを書いたと言われています。

古い物事は著作権が切れてるから話題になりませんけど自由に使われまくり(笑) 人間は過去の作品・アイディアを材料にして新しい物事を作ってきた。過去の作品を利用すること自体は普通。

また、パロディが多すぎる作品なんてダメって言われたりしますが、それはそれで立派な個性であり作風だと思います。

もちろん著作権侵害だと判断される可能性は出てくるし、個性と面白さは別の話だけど。 面白いパロディもあれば、つまらないパロディだってあるわけで

もちろん、パクリは面白くても絶対ダメですよ!

まとめ

意味元ネタとの関係性著作権の問題
オマージュ尊敬・敬意をもって参考にする基本は明示法律と、著作権者の態度による
パロディ批判・風刺・笑いのために
元ネタを利用
明示法律と、著作権者の態度による
パクリ盗作、アイディアを盗む無表示・隠蔽法律と、著作権者の態度による

・ばれちゃ困るのがパクリで、ばれなきゃ困るのがパロディ

・ただし、単純に似ているだけってこともあるので注意が必要

・過去の作品を利用しつつ、新しい面白さを作り出していくこと自体は当然。利用の仕方にルールがある。