唯物史観の視点から、社会の変化を考える ~技術と人間の思想~

なぜ全面戦争は無くなったのか? 女性の地位が向上した理由は? どうしてグローバル化が重要視されるようになったか?


写真はウィキペディアより

というわけで、今回のテーマは「唯物史観の視点から社会の変化を考えてみる」。

唯物史観の「先に物的な変化が起こり、それによって社会構造・人間の思想が変わる」というアイディアは、経済・共産主義以外にも言えます。この見方は社会の変化を理解するための良い方法だと思いますね~。

唯物史観そのものについての詳しい説明は「唯物史観」の記事で書いてありますので、よろしければどうぞ。

合わせて読みたい

目次(クリックでジャンプ)

なぜ全面戦争は無くなったのか?

女性の地位が向上した理由は?

グローバル化が重要視されるようになった理由は?

技術が社会を変え思想は後からやってくる

まとめ

なぜ全面戦争は無くなったのか?

さて、まずは「大国同士の全面戦争が無くなった理由」について唯物史観的な視点から分析してみましょう。

第二次世界大戦の後は、大国同士の全面戦争って無くなりましたよね。もちろんベトナム戦争とかテロリズムとかはあるけど、大きな国同士の本気の殺し合いは無くなりました。

アメリカとソ連は非常に危険な関係でしたが、それでも直接的な戦争にならなかった。間接的な「冷戦」で止まっていたわけで。なぜ、大規模な戦争は無くなったのでしょう?

思想としても昔より「世界平和」が叫ばれるようになっています。どうして人類は大規模な戦争を止めて世界平和を目指すようになったのか?

それは「核兵器が生み出されたから」でしょう。核兵器を持った国同士の全面戦争は、人類の滅亡につながります。相手に勝ったとしても自分の国も滅びてる、そんな状況では戦争をする意味がない。

大ざっぱな流れとしては↓のような感じ。
①技術力が上がる
②核兵器が出来る
③核戦争をすると自分の国も滅びると分かる
④戦争がなくなり、世界平和が重要になる

つまり、人類は大規模な戦争を止めたのではありません。出来なくなっただけ。世界平和についても、うっかり核戦争が起こると人類全体が滅ぶから世界平和が重要になっているだけ。

核兵器の誕生という物的な変化により、全面戦争が無くなり世界平和という思想も重要になった。こういうのが唯物史観的な発想ですね。

女性の地位が向上した理由は?

次に、ここ100年ほどで女性の地位が向上してきた理由について考えてみます。昔と比べると女性の社会進出が増え、男女平等思想が広がってきたのは間違いなし。

1つの大きな原因として、第一次世界大戦および第二次世界大戦で生まれた「国家総力戦」という新しい戦争の形式があると言われています。

国家総力戦は、文字通り国のすべての力を使う戦争。ポイントは男性だけでなく女性も戦争に参加させられるってこと。

それまでの戦争は、基本的には「男だけが戦いに行き、女性は結果を待っているだけ」でした。戦争は男のものだった。

ところが国家総力戦になると、それまでよりも大量の武器・兵器が必要になり戦争も長期化します。直接的に戦場に行くのは男だけど、女性も武器・兵器を作り続けなくてはいけません。女性たちの支援が合ってこそ男性が戦い続けられる。

戦争における女性の重要度が上がると、女性の地位が向上します。今までは「戦うのは男! 女は待っているだけ! 男が女を守っている。だから、男の方が偉い!」という論理が成り立っていました。

しかし、国家総力戦になると「男が戦い続けられるのは、私たち女の支援があるからこそ! 女も戦争に参加している! だから、女性の地位を向上させろ!」という話になっていく。これが国家総力戦が女性の地位向上につながったと言われる理由。

さて、どうして国家総力戦という新しい戦争の形式が登場したのでしょうか? それは技術力が発展したから。技術力の発展によって、より複雑な武器と大型の兵器が発明され戦争の形が変化した。

大ざっぱな流れとしては↓のような感じ
①技術力が上がる
②より複雑な兵器、より大型の兵器が発明される
③国家総力戦という新しい形の戦争が生まれる
④女性の後方支援も重要になる
⑤女性の地位が上がる

社会構造が変わり、男女平等の思想が広がった理由は、やはり技術の発展にあると言えます。

グローバル化が重要視されるようになった理由は?

最後に、グローバル化が重要視されるようになった理由について見てみましょう。

最近はグローバルな視点を持つことが重要だと言われていますよね。個人レベルの話でも企業レベルの話でも、グローバル化が注目されている。なぜグローバル化が重要視されるようになったのか?

唯物史観で見れば簡単に分かります。つまり「技術力が上がってグローバルな活動が可能になったから」。飛行機や船の進化によって物理的な移動が簡単になりました。そして、電話やインターネットによって情報交換も簡単に。

大昔はグローバル化なんて重要視されなかった。それは、グローバルな活動が不可能だったから。大航海時代になるまで世界は分断されていて、地球の裏側の相手なんて存在しないようなもの。

それが技術の発達によってグローバルな活動が可能になると、グローバル化が重要だと言われるようになります。グローバルな活動が低コストで行えるようになったから。

大ざっぱな流れとしては↓のような感じ
①技術力が上がる
②グローバルな活動が可能になる
③グローバル化が重要だと言われるようになる

先にグローバルな活動が可能になり、その後でグローバル化が重要だと言われるようになる。グローバルな活動が出来ない時代にはグローバル化するべきなんて言われません。

技術が社会を変え思想は後からやってくる

今まで「なぜ全面戦争は無くなったのか?「」女性の地位が向上した理由は?」「どうしてグローバル化が重要視されるようになったか?」という3つの社会・思想の変化を考えてきました。

すべて唯物史観で説明できます。技術の発展が社会を変え、思想は後からやってくるもの。

こうやって唯物史観で社会の変化を分析してみると、人間の思想が大したものでないことが分かります。

世界平和も男女平等もグローバル化も、社会の変化に後付けで合わせただけにすぎません。技術の発展が社会を変え、それによって人間の思想が変化しただけ。

人間の思想が社会を変えるのではありません。技術の発展が社会を変え、それが人間の思想を変える。思想なんて後からやってくるものなんですよ。

言ってみれば「人間の思想は進歩していない」ってことかも。進歩したのは技術だけ。思想は技術に合わせて変化しただけ。

唯物史観で見てみると、社会の変化と人間の思想についてより深く理解できるのです。

まとめ

・唯物史観の「先に物的な変化が起こり、それによって社会構造と人間の思想が変わる」というアイディアは、経済と共産主義以外にも当てはめることができる。

・例えば、どうして人類は大規模な戦争を止めて世界平和を目指すようになったのか? それは「核兵器が生み出されたから」。

・技術の発展が社会を変え、思想は後からやってくる

・進歩したのは技術だけ、思想は技術に合わせて変化しただけってことかも

 

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