ゴシック建築って? 特徴は高さ、そして光!

ゴスロリ・ファンタジーなどでお馴染みかも! ですが、みなさん、詳しいことは意外と知らないのでは?

というわけで、今回は「ゴシック建築」。英語だとGothic Architecture。キリスト教の教会で有名な建築様式であり、高い塔・細い柱・尖ったアーチなどが特徴。代表的な建築物としてはケルン大聖堂など。かっこいいですよね~!

ヨーロッパの建築様式の流れとしては、 ロマネスク建築→ゴシック建築→ルネサンス建築→バロック建築→新古典主義建築→ゴシック・リヴァイヴァル建築、という感じ。

歴史的区分としては1150年頃から1500年頃までの時代。ただし、この時代の建物が全てゴシック建築というわけでもなく曖昧な部分も多いようです。

目次(クリックでジャンプ)

元は蔑称だったゴシック

ゴシック建築の特徴

・3つの工学的構造

ゴシックの再発見

まとめ

元は蔑称だったゴシック

ゴシック建築は12世紀後半から花開いた、フランスを発祥とする建築様式。しかし、「ゴシック」とは「ドイツ風の」「ゴート族(ゲルマン人)の」という意味です。さらに! もともとは蔑称でした

どういうことかと言いますと、15世紀から16世紀にルネサンス期のイタリアの芸術家が「ルネサンス以前の芸術なんてダサいよね。あんなもの野蛮なドイツ人みたいなもんさ」ってな感じで、てきとうに名付けたから!

イタリア人から見れば古代ローマ帝国を滅亡に導いたゴート族は野蛮人。野蛮な芸術=野蛮人の芸術=ゴート族の芸術、って感じ。時々ありますよね、こういう雑な名前(笑) 名前と意味が一致しているとは限らないのです。

ゴシック建築の特徴

さて、そのゴシック建築だけど絶対的な特徴はありません。長い期間・広い範囲で発展した建築様式ですからね~、はっきりした定義は難しい。

もちろん、一般的に広く知られている特徴というのはありまして、それは「必要以上に細い柱・石造天井およびぞれを実現させる構造的特徴の組み合わせ」

こんな感じですね。細い柱と高い天井・尖がった屋根、上からの日光と・大きな窓、そしてステンドグラス!

ステンドグラスはゴシック建築以前からありますが、窓が大きくなったことで室内の装飾品としてより大きな存在感を持つように。

現在では黒・ダークな印象のある「ゴシック」ですが、実際にはロマネスク様式と比べると内部が明るくなっています。

また、ゴシック建築はそれ以前のロマネスク建築に比べて全体の統一も重視されているそう。ロマネスク建築ではそれぞれの部分が独立しているのに対し、ゴシック建築では全体が調和するように設計されています。

建物の高さも重要な特徴。技術の発展により、非常に高さのある建築が可能に。40メートル以上のものも! 40メートルといえば、ビルなら10階建て。

これを石を積み上げていって建築するわけで、すごいもの。今やろうとしても難しい、超技術らしいですよ!

中世には高層ビルなんてありません。当時のゴシック建築の大聖堂は、今よりもさらに大きく高く見えたことでしょう。さらに、中に入れば普通の建物より明るく広い神秘的な空間。

昔の人は感動したでしょうね~。そして、このような建築を作ってしまう宗教への情熱というのはすごい。

3つの工学的構造

工学的に言うと、ゴシック建築の高さ・細い柱・大きな窓を実現させているのは「尖頭アーチ」「交差リブヴォールト」「フライングバットレス」というもの。この3つを組み合わせることにより高く細い建築が可能になっているのです。

尖頭アーチ

これは文字通り、上の部分が尖ったアーチのこと。

↑これが普通のアーチで、

こういうのが尖頭アーチ。上の部分を尖らせることで、より重さに強くなっています。

交差リブヴォールト

ヴォールトというのはアーチが連続してつながったもの。↓のような感じですね。

この形を基本にして、交差させることにより強度を増したのが交差ヴォールト


この交差ヴォールトに、リブ(補強材)を加えたのが交差リブヴォールト!

補強材を加えることで天井の板を薄く軽くすることが可能に。これにより建物全体をより高くし、柱も細くできるのです。

フライングバットレス

バットレスというのは、建物を外側から支える柱および斜めの棒のこと。

ゴシック建築以前の大型建築では、建物を支えるための大きなバットレスによって窓が作りにくく内部が暗くなっていました。それを解決したのがフライングバットレス!

建物から離れた所にバットレスを作ることで大きな窓を作ることができ、建物のより高い部分を支えることも可能に。一部の教会は、このフライングバットレスによってSF的にも思える奇妙な姿になっています。面白いですよね~


↑ノートルダム大聖堂の裏側。正面の四角い印象とは違い、フライングバットレスによって複雑な立体構造と曲線が目立つ。

しかしまぁ、物理学が大して発達してなかった時代に、こんな建築技術を発見して利用していくなんてすごい。これからゴシック建築の画像を見るときは、工学的な構造についても意識してみると面白いかも?

ゴシックの再発見

さて、そんなゴシック建築だけども一度は否定されてしまいます。この記事の最初の話ですね。15世紀からのルネサンスで否定され、そのまま忘れ去られることに

ゴシックが蔑称ではなくなり、ゴシック建築が再評価されるのは18世紀。ゴシック・サヴァイヴァルと呼ばれる時期に、昔の様式を忠実に守った建築が作られます。「構造力学的に合理的である!」とも評価されました

さらにその後、ゴシック・リヴァイヴァルという時期も来ます。この場合は時代にあった改変もされていくことに。

ちなみに、現在の日本における「ゴシック」のイメージは、こちらのゴシック・リヴァイヴァルの時期の影響が大きいですね。ゴシック・ロリータとかの源流

この時期に、建築の再評価と共に「昔の廃墟」「中世の神秘的建築」などのイメージが追加されて現在に至るのです!

合わせて読みたい
より詳しくはゴシック・リヴァイバルの記事で

まとめ

・歴史的区分としては1150年頃から1500年頃

・フランスを発祥とする建築様式。しかし、「ゴシック」とは「ドイツ風の」「ゴート族(ゲルマン人)の」という意味。ルネサンス期のイタリア人が雑に命名(笑)

・広く知られている特徴は細い柱と石造天井。建物は高く、大きな窓によって内部は明るい

・これは「尖頭アーチ」「交差リブヴォールト」「フライングバットレス」の3つの工学的構造によって出来ている。

・黒、闇などなど現在の日本における「ゴシック」のイメージは、18世紀以降のゴシックリヴァイヴァルの影響が大きい。

 

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ゴシック建築の名作と言えば、ケルン大聖堂!

「ケルン大聖堂」 ちょっと複雑な歴史を持つ、ゴシック建築の傑作!
超かっこいい! そして、この素晴らしい建築が出来るまでには長~い時間が必要だったのです。