『天動説』とは? ~地球を中心とする世界観~

天動説って言っても、実は色々とあるんですよ? そして、科学の進歩によって宇宙観は変化してきたのです!

というわけで、今回のテーマは「天動説」。地球は宇宙の中心に静止していて、他のものが外側を回っているとする説ですね。

英語で書くとGeocentrism。訳としては「地球中心説」の方が正しい、という意見もあるとのこと

過去の考え方と思われていますが、意外と今でも信じてる人が。まぁ、すごく単純に考えたら「地球が動いたら大変なことになるじゃん?」ってなるし、今でも信じている人がいるのも無理がありません

もちろん科学的には否定されています。しかし、直観的には正しい気がするのが信じる原因でしょう

ギリシャ・ローマが有名!

さて、歴史的な天動説っていうと↓みたいなイメージだと思います(画像はウィキペディアより)

これは、古代ギリシャ・ローマの天動説を元にしています。地球を包んでいるものを「天球」と言い、地球以外の星が「天体」

「星を動かしているのは神々。天球は物理的に存在し、その穴から漏れてくる神々の光が太陽だ」なんて考えられていた。

実は、天動説・地球中心説にも色々と種類が。国・時代・宗教によって違いますからね。でもまぁ、日本で天動説と言う時は「プトレマイオスの天動説」を指していることが多いでしょう。

プトレマイオスというのは人名であり、古代ローマの学者。古代ギリシャ・ローマ時代には宇宙構造が研究されていました。この人以外にも多くの人が意見を発表しています。

例を出すと
アリストテレス 地球の周りを全天体が公転している
エクパントス  宇宙は固定で地球が自転している
アリスタルコス 宇宙の中心にある太陽の周りを地球が公転
などなど……

アリスタルコスの説はすごいでしょ。これは天動説ではなく地動説。古代ギリシャの時代から地動説のアイディアはあった!

プトレマイオスさんは、これらを整理・体系化した人。そして、後世に伝えたことで有名に

地動説といえばコペルニクスって人が有名。しかし、あのガリレオ・ガリレイは「(コペルニクスは)埋もれていた仮説を復活させて確認した人」と評価しています。古代ギリシャの時代には地動説は発明されてたんですね、さすがギリシャ文明!

意外と科学的だった!

ここで、古代ギリシャ・ローマの天動説についての注意点! それは「彼らは科学的な観測を元に考えを述べた」ということ

ギリシャ文明では地球が丸いことはすでに知られていましたし。それぐらいの観測技術は合ったわけで。世界は平面で巨大な像の背中に乗っている! みたいな宗教的天動説とは一味違います

別に「人間が神によって作られたから、地球は宇宙の中心なんだ!」「地球は宇宙の中心だから、人間がいるのだ」

こんな風な宗教論・精神論だけで地動説を信じてたんじゃない。彼らはしっかりと星空を観測しました。そして、それに対する合理的な説明として意見を述べたんですよ(もちろん、神々が~なんて話も出てきますが)

ギリシャの天動説の中にも種類があります。それは、「惑星の動きに対してより正確な説明ができる天動説」が新しく作られていったから

例えば、プトレマイオスの地動説を、ざっくり図で表すとこうなります(自作の図で申し訳ないです……)
img_20160119-022018.png
青い丸は地球、灰色の丸は月。オレンジの丸はそれ以外の天体。赤い×は星の動きの中心だと思ってください

ここでポイントなのは「天球の中心は地球だけど、天体の動きの中心は地球ではない」こと! もう一度、図を見てください。赤い×と地球は一致してません

地球中心説なのに、なんでこんな面倒なことになってるのか。それは、この方が天体の動きを合理的に説明できるから。地球を星の動きの中心にすると、現実とのズレが大きくなるので

ここからも分かるようにギリシャ・ローマ文明の天動説は、科学的な視点があると言えます。肉眼で観察できる範囲では、天動説でちゃんと説明できた

アリスタルコスの地動説が主流にならなかったのは、当時の知識と技術では合理的な説明ができなかったから

こんな感じで、2世紀にプトレマイオスさんが今までの天動説を整理。これが中世イスラムを経由して中世ヨーロッパに伝わります。その後、約1500年も事実だと信じられました!

天動説の終わり

天動説は13世紀から17世紀ごろまではカトリック教会公認の考えであり、西洋の常識だったと言えます

地動説が有力になるのは17世紀になってからで、望遠鏡が発明されたことがきっかけ。星の動きがより正確に分かるようになり、天動説では説明できなくなりました。科学技術の進歩によって考え方が変わった!

ただし、この時期の地動説は英語で書くと Heliocentrism。直訳すると「太陽中心説」。つまり、宇宙の中心は太陽だ! という考え方なんですよね

今はこれも否定されていますので、正確に言えば「地球中心説→太陽中心説→現在の宇宙観」となります

技術の発展と、世界観の変化

さてさて、ここからは少し視点を広げて、天動説から「世界観」というものを考えてみます。世界をどんな風に考えているか、と言う話。

地動説・天動説ってのは世界観の1種だと言えるでしょう

「昔の人は変な世界観を持ってたんだなぁ(笑)」「科学によって、今は正しい宇宙の構造が分かってる!」

こんな風に考えてしまうこともできる。しかし、私が重要だと思うのは「科学技術の進歩で、世界観が変わる可能性がある」ってこと!

古代ギリシャ・ローマの天動説に科学的な視点があったと書きました。天動説→現代の宇宙観という変化、これは非科学→科学という単純なものではなかった。

つまり今後も、「科学技術による世界観の大きな変化」は起きるかもしれない! まだまだ、宇宙に関する新発見は続いてますからね~。私たちが地動説を笑うように、未来の人は今の宇宙観を笑うかも?

今の世界を正しいと思うのは、今の科学・知識を土台にしてるから。科学技術・知識が変われば、今の世界観・宇宙観が否定されるかもしれません。だって、天動説もそうやって否定されましたから

まとめ

・英語で書くとGeocentrism。訳は「地球中心説」の方が正しい、という意見も。日本だと「プトレマイオスの天動説」を指していることが多い

・古代ギリシャ、ローマの人は科学的な観測をしていた。肉眼で観察できる範囲では、天動説でちゃんと説明できる

・地動説が有力になるのは17世紀。望遠鏡の発明で、星の動きがより正確に分かるようになり天動説では説明不能に。

・科学技術の進歩で世界観が変わる可能性がある! 私たちが地動説を笑うように、未来の人は今の宇宙観を笑うかも?

 

 

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