ファンタジーの分類と歴史をざっくり紹介してみる

日本でも、とっても人気のあるジャンル! 大昔から人間は想像力を膨らませ、素敵な物語を作ってきたのです。

ファンタジー

というわけで、今回のテーマは「ファンタジー」。空想的・幻想的・超自然的なものを中心にした物語のジャンル(分類)ですね! 英語で書けばfantasy

ちなみに、ファンタジー的(幻想的)を意味する英語の形容詞は「ファンタスティック」 (fantastic) であり、日本で使われることの多い「ファンタジック」というカタカナ言葉は和製英語なんですよ!

大人気!

魔法! モンスター! 異世界! 日本では主にラノベ・漫画・ゲームなどで大人気。特にゲームでは定番中の定番と言えるでしょう

ゲームで人気がある理由を少し深く考えてみると、それは「ゲームのシステムと相性が良いから」では。RPGとかで「敵を倒してレベルアップ!」とかありますよね?

あれってファンタジーじゃないと表現しにくいと思います。リアル系・SFだとちょっと意味不明になりますよね。別に敵を倒してもロボットの装備が強化されるわけないじゃん? みたいな突っ込みが入りそう(笑)

ファンタジーだと「敵の魔力を取り込んでいる!」みたいな感じの説明で納得しやすいので。ファンタジーはRPG・レベルアップと相性が良い。

「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」といった初期のRPGは全部ファンタジーでしょう。こんな感じで、RPGが人気=ファンタジーが人気、になったのでは。

ファンタジーは外国でも「指輪物語」「ハリー・ポッター」シリーズなど、多くの人気作品が。子供から大人まで、非常に幅広く楽しめるジャンル

定義?

ファンタジーというジャンルに絶対的な定義はありません。多くの人が多くのことを言っています。まぁ、SFでもそうなんだけど正確なジャンル分けなんてできないってこと

一応それっぽいことを書いておくと、SFは科学技術と現実の物理法則を重視します。対して、ファンタジーは魔法や異世界の法則を重視します。

逆に言えば、それぐらいのことしか言えないのでは。また、SFをサイエンスファンタジーだとしてファンタジーに含めようという考えや、反対にファンタジーはSFの内部ジャンルだ、っていう意見もあったりするそうですよ?

ついでに、欧米で単に「ファンタジー」と言った場合は、中世ヨーロッパ風の異世界&白人の主人公、が当たり前なんだとか。結構、こだわりがある様子

結局の所、はっきりとは言えないってこと。地域によって人によってファンタジーは違うわけで。難しく考えないでファンタジーだと思えば、ファンタジーでいいと思います!

ファンタジーのジャンル

ファンタジーの中にも色々なジャンルがあります。これまた、絶対的な定義は無く人によって判断が違ったりも。

一応、大きく分けると現代の地球を舞台にした「ローファンタジー」と、異世界(一般的には西洋文化がベース)を舞台にした「ハイファンタジー」の2つ。さらに、それぞれの中でも色々な分類が可能。↓は、その一例。

ハイ・ファンタジー

エピック・ファンタジー:叙事詩ファンタジー。大規模な物語。
ヒロイック・ファンタジー:英雄ファンタジー。主に主人公が超常的な力を持ち、悪の勢力を討ち果たしていく形式のもの。
歴史ファンタジー:過去の世界に魔法などを組み込む。
ダーク・ファンタジー:重苦しい展開や悲劇的展開が多いもの
バトル・ファンタジー
トリップ・ファンタジー:現実(をモデルにした世界)の住人が異世界に移動し、そこで何らかの活躍をする
東洋ファンタジー:西洋ではなくアジアが舞台
中東ファンタジー:中東の砂漠地帯などが舞台
海洋ファンタジー:海と島が舞台。基本的にファンタジーと言えば平原・森・山が多い
サイエンス・ファンタジー:SFとファンタジーの要素を混合した作品。スチームパンクなど。

ロー・ファンタジー

オカルト・ファンタジー:魔術・幽霊・超古代文明などと言ったオカルトに分類されるものを主題としたもの。伝奇ファンタジーも似たようなジャンル
異能バトルファンタジー:現代の地球を舞台にした戦い
魔法少女もの:変身アイテム・マスコットなどが特徴。少女向けの傾向が強い
特撮:仮面ライダー・怪獣など。一般的にはファンタジーとは言われないかも。
ゲームファンタジー:レベル・勇者・ステータス・モンスター・魔王など、RPGの諸要素の存在を前提とした世界を描く
MMOゲームファンタジー:ネットゲーム内部のファンタジー世界を描く。ゲームファンタジーの2つは直接の舞台としては異世界だけど、現実世界の知識・常識・ネタが大量に持ち込まれるので判断しにくいところ。

ハイファンタジーには少し注意が必要かも。単純に異世界を舞台にしているというだけでなく、「現代社会とのつながりが薄い」ことも重要視する場合もあるので。

例えば全くの異世界のはずなのにゼウス・オシリス・オーディンといった「現実世界の固有名詞」が多く出てくる作品。

こういうのは異世界としての独自性がないとしてローファンタジーに分類されることもあります。ゲームファンタジーがローファンタジーに分類されるとの同じ理屈。

また、「おとぎ話・民話」もファンタジー作品の一部だと言えるのでは。

幻想物語の歴史

ファンタジー的な世界観の根本的な土台は「自然崇拝およびアミニズム」でしょう。

自然崇拝とは嵐・雷・洪水などの自然現象に対する原始的な信仰。アミニズムは自然崇拝より1歩進んだもので、目に見える物事の背後に精霊・神・魂などが存在するという考え方。火の精霊・嵐の神・祖先の霊みたいな感じ。

この2つの考え方は世界中で見られます。こういった原始的で素朴な自然に対する信仰・死後の世界への空想がファンタジーの出発点。

そして、アニミズムが発展して誕生するのが「神話」。神話になると固有名詞を持った個性豊かな神々が活躍し、いわゆる「物語」が展開します。

ファンタジーの歴史を考えるなら、やはり重要なのは「ヨーロッパの神話」! ギリシャ神話・北欧神話・エジプト神話……有名ですね。

現代のファンタジー作品でも神話由来の単語を大量に使用したり、神話をベースにした世界観の作品も多くあります。

次に、神話を否定する形で登場した「宗教」もファンタジーの重要な材料。旧約聖書・新約聖書の物語は日本でも有名。

また、寓話・農民たちの民話なども源流でしょう。例えば、有名な「イソップ寓話」は古代ギリシャ時代のもの。

(この記事の画像は全て、ウィキペディアより)

↑北欧神話の雷神トール

中世からはキリスト教の聖人伝説なども有名に。アーサー王物語は日本でも広く知られていますね。

ただし、古代~中世までの神話・宗教・伝説というのは当時は事実だとされていました。現代から見れば完全にファンタジーだけど、昔の人にとっては真実。娯楽用に作られた物語ではないので、いわゆる「ファンタジー作品」とは方向性が違います。


↑アーサー王伝説の魔術師モリガン

現代におけるファンタジー的な物事を、「ファンタジー(幻想)」つまり非現実だと判断するようになったのは意外と最近になってから。

古代ギリシャ時代にはギリシャ神話は真実だと思われてましたし、日本でも江戸時代までは多くの妖怪が信じられていました。

大きく言えば、自然崇拝→アミニズム→神話→宗教→ファンタジーという流れだと言えますが、宗教まではリアルなんですよ(もちろん、今でも多くの宗教が信仰されてるけど、昔よりは影響力が減っているのは間違いなし)。

特に中世までの人々は本当にファンタジー世界の中に住んでいたとも言えるのでは。魔法などが使えなかっただけで、当時の人々の世界観はファンタジー世界そのものだったはず

ファンタジー作品の、成立と発展

近世になると、民間伝承も童話として本になったりしてきます。白雪姫とかですね。そして、初期の「作品としてのファンタジー」は童話などの子供向けとして広がります。

不思議の国のアリス(1865年)・オズの魔法使い(1900年)・ピーターパンとウェンディ(1911年)などが有名。娯楽用として作られたファンタジー物語は、初めは子供用だった。

じゃあ、どんな風に大人も読むような作品が出てきたのか? ヨーロッパでは、「リアリズム文学」というものが関係してきます。これは19世紀から出てきた小説のジャンルで、要は「現実に起こりそうな話しか小説は書いてはダメ!」って感じ

これに反対する人たちが「ありえない事を書いてもいいだろ!」と言って本格的なファンタジー作品を作り出しました。ファンタジーはリアリズムへの反抗だったと言えるでしょうか。ただし、これはヨーロッパの話でアメリカでは状況が違います。

しかし、その後のヨーロッパでは、また違う流れが! 1954年に発売されたトールキンさんの「指輪物語」です。さすがはトールキンさん。影響がでかすぎてやばい! 主にヨーロッパのファンタジーに強い変化を与えますが、それ以外の地域の作品にも影響。

さて何がすごかったかというと、リアリズムへの対抗って事をはるかに超えて独自の世界を作り出したこと。

「ありえないことを書いてリアリズム文学を批判する!」から「独自の世界を作り出して面白い物語を作る!」にファンタジーというジャンルがレベルアップした感じ? 今の「魔法とモンスター」なファンタジーが一般的に理解されるようになった!

一方、アメリカでの大人向けファンタジーの出発点としては、1920年代から1940年代にかけて人気だったパルプ・マガジン(庶民向け雑誌)が有名。

火星シリーズ(第1作は1917年に完成)・ヒロイック・ファンタジーの最初の完成型とも言われる英雄コナンシリーズ(1932年に第一作発表)などが発表されてきます

そして、アメリカでも指輪物語は高く評価され、その影響を受けた「ダンジョン&ドラゴンズ」(1974年)というゲームが大人気になって西洋ファンタジーのイメージが固まっていきました

日本で(西洋)ファンタジーというジャンルが人気なった原因は、なんといっても「ドラゴンクエスト」(1986年)。ドラクエが大人気に! ファンタジーも大人気に!

また、その後に「ファイナルファンタジー」(1987年)・「ロードス島戦記」(1988年)が発売され、より本格的なファンタジー作品が増えていきます

長くなったので今回はここまで。「ファンタジーの魅力とは?」では異世界と魔法、ファンタジーの魅力について書いてます~

まとめ

・大人気のジャンル! 特にゲーム。RPGやレベル制と相性がいい

・大きく分けると2つ。現代の地球を舞台にした「ローファンタジー」と、異世界を舞台にした「ハイファンタジー」。

・源流は自然崇拝、アニミズム。そして、そこから発展した神話と宗教。

・「作品としてのファンタジー」は子供向けとして始まる。不思議の国のアリス(1865年)などなど

・1954年の「指輪物語」と、その影響を受けた「ダンジョン&ドラゴンズ」(1974年)が大人気になって西洋ファンタジーのイメージが固まっていく

・日本で(西洋)ファンタジーが人気なった原因は、なんといっても「ドラゴンクエスト」(1986年)。

 

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