言語学を少しやってみると、外国語の学習に効果あり ~理解度アップ!~

日本語を絶対的な基準にしない

日本語が母語の人は、外国語を学ぶときに日本語と比較しながら理解していくはず。「日本語では~だけど、英語だと〇〇なんだな」みたいな感じ。

当たり前ですが、自分の中の基準は日本語だってこと。日本語と比べて、ここが違うあれが違うと覚えていくわけでしょう。私もそうやって英語を学習してきました。

しかし、日本語を基準にして外国語を学習するのではなく、もっと広い視点から見た方が理解しやすくなるのかも。

「日本語の視点から外国語を見る」のではなく、「日本語と外国語を平等に見る」ってこと。

日本人としては「日本語では~なのに、英語だと〇〇なのか。英語って変な言語だなぁ」と思っているかもしれませんが、英語を使う方は「いやいや、変なのは日本語の方だから! こっちの方法が世界的には一般的だから!」なんて思っているのかもしれませんよ(笑)

ここで役立つのが言語学(linguistics)だと思います! 言語学は、文字通り世界中の言語を研究している学問。日本語を中心にしているわけではなく、全ての言語を平等に扱っていますから。

もちろん、そんなに深く言語学をやる必要はありません。ちょっとだけ言語学の知識があるだけでも見方が変わったりするのです。

納得しやすくなるというか諦めやすくなるというか? 「日本語と全然違って訳が分からない!」と悩むのではなく、「言語なんて違って当たり前だよね~」と素直に受け入れらえるようになります(笑) 抵抗感が減るというか。

日本語は、謎の言語

言語学的には、日本語は謎の言語のようですよ? 言語学には「語族」という考え方があり、これは同じ1つの古い言葉をルーツにする仲間。同じ言葉から分化したのが同じ語族の言葉。

例えば、英語・フランス語・イタリア語・スペイン語などの言葉は同じ語族であり、ラテン語から分化した仲間であることが分かっています。似ているのも当然ってわけですね。

これに対し、日本語の語族は分かっていません。似たような言語もなく、どの言葉から分化したのかも不明なのです!「言語学入門」という本から引用すると、

日本語は、現在でもその系統が分からない状態です

言語学的には、日本語ってのはルーツが分からない不思議で謎の言語なんですよ。

日本人としては、日本語の発音や文法を基準にして外国を学習します。でも、言語学的には日本語の方が謎。

こういった事実を知っていると外国語を学習するときに「日本語とは色々と違うなぁ。でも、日本語も特殊だからしょうがないか」なんて思えるかもしれません。

言語学と、色々な文法

また、グリーンバーグという言語学者は言語の基本的な文法には6種類あると発表しました。1963年に書かれたSome universals of grammar with particular reference to the order of meaningful elementsという資料によると、

主語(Subject)、目的語(Object)、述語・動詞(Verb)の順番として

SVO, SOV, VSO, VOS, OSV, and OVS.

の6種類の文法があるというのです! 英語はSVO型、日本語はSOV型。しかし、世界にはVSOとかVOS, OSV, OVSなんて語順の言語もあるそうですよ?

それぞれの文法で文章を作ってみると

私は食べるリンゴを(SVO、英語)

私はリンゴを食べる(SOV、日本語)

食べる私はリンゴを(VSO)

食べるリンゴを私は(VOS)

リンゴを私は食べる(OSV)

リンゴを食べる私は(OVS)

……こんな感じでしょうか。日本語と英語の文法って色々と違いますけど、世界を見てみればさらに多くのパターンがあるんですねぇ。言語によって文法が違うなんて当たり前ってことです。

高い視点で言語を見ると、理解しやすいかも

このように言語学を少し勉強してみるとだけでも、言語について広い視点で見ることが出来るようになると思います。

日本語というのが世界的には標準的な言語でないことが理解できますし、日本語と英語以外にも様々な文法や発音の言語があると知ることができます。

物を見る時って距離が近すぎると良く分かりませんよね。ちょっと遠い場所から離れてみると、全体像が分かりやすくなったりするもの。外国語の学習も同じ感じかもしれません。

外国語を学習する前に、少しだけでも言語学をやってみる。今までより高い視点を持つことができて理解しやすくなる気がしますよ。

中学校でも言語学をやるべきでは?

個人的に、学校で英語自体の勉強を始める前に言語学などを先に教えておくべきだと思います。これも時間をかけてたっぷりと。

いきなり英語だけやっても分からないんですよ。日本語とは全然違う言語だってことは分かるけど、なんとなく全体像が見えてこない。

だから、急に英語の細かい文法などを教えるのではなく中学1年生の時に土台作りとして言語学を少しやるべきだと思います。

世界にはどれだけ多くの言語があるのか? 母語と公用語と外国語の違いは? 語族と系統とは? 発音記号(国際音声記号)の意味とは?

世界にはどのような文法の言葉があるのか? アルファベットなどの表音文字と、漢字などの表語文字の差とは?

こういった言語に関わる知識を先にしっかり学習しておくべきではないかと。当然だけど、世界には日本語と英語以外にも多くの言語があるわけで。

「外国語としての英語」だけを見るのではなく、「世界中にある多くの言語の1つとしての英語」として見たほうが理解しやすいと思うんですよ。

物を見るときに近すぎる場所からだと全体像が分かりませんよね。ちょっと離れたとことから、周りをぐるぐる回ってみた方が全体像は良く理解できます。

言語学習をする時も同じなんじゃないでしょうか。より大きな視点、より幅広い知識を持っていた方が全体像が分かりやすく理解度が上がる。

英語の前に言語学をやるなんて遠回りに思えるけど、結果的には効率的な気がします。

番外:「国語」ではなく「日本語」にするべき

あと、これは少し話しがずれるんですが小学校・中学校・高校の「国語」は「日本語」という科目名に変えるべきだと思います!

国語って、意味不明じゃないですか。国の言葉って言われてもねぇ。国の言葉なんて人によって違いますし? 今の日本にも韓国とかブラジルの人が住んでたりしますよ。

「日本語」にした方が圧倒的に分かりやすいと思いません? 日本語の時間があり、英語の時間がある。違いがはっきりしてるじゃないですか。

「国語教育」なんかより「日本語教育」の方が何をどうするのか明確ですよ。

まとめ

・日本語を基準にして外国語を学習するのではなく、離れたところから平等に全体像を見たほうが分かりやすい

・先に言語学を少し勉強したほうが、遠回りに思えるけど結果的には効率的

・中学校でも言語学からやるべきでは?