『土器』って、人類の生活を変えた大発明だよね!

人類最大の発明品の1つでしょう! 食料の保存がしやすくなり、煮炊きなど高度な調理が可能に! 土を焼いて固める、すごいアイディアですよ!

というわけで、今回のテーマは「土器」。土を整形して焼き固めて作った器であり、英語でいうとEarthenware。

陶器・磁器よりも低温で焼かれているため粘土がガラス化しておらず、見たまま土っぽいものを指します。使い方から、主に煮沸用土器(煮炊き)・貯蔵用土器・供献用土器の3種類

多くの分野に影響を与えた大発明!

土器は素晴らしいものです。何といっても「煮炊き」が可能になりますからね! 食べ物をゆでる・煮る・炊く、今となっては当たり前すぎるけど土器以前は不可能!

そんな調理法は存在しませんでした。たき火で焼いたり・天日で乾燥させるぐらい。火に当てても壊れない容器というのが無かった!

ゆでる・煮る・炊く、が出来ない食生活。ちょっと想像してみてくださいよ。とんでもなく非効率だし、そもそも食べられるものが一気に減ります。

古代の人が食べていたものとしてドングリがありますが、これも生のままではアクが強くて食べられません。しかし! ゆでることによって食物として利用することが可能になったのです。

土器によって食材の幅も調理法の種類も劇的にパワーアップ! 文明的な食生活が始まったと言えるでしょう!

加えて、土器に入れた水を沸騰させることにより細菌などを殺し比較的安全な飲料水を作ることができます。これも病気を減らし死亡率を減少させたと考えられています。

さらに、液体の貯蔵・運搬も可能に! 食料の貯蔵も便利に! 土器は貯蔵・運搬の分野でも大きな変化をもたらしました。頑丈な入れ物の発明はすごいことなんですよ。

さらにさらに、芸術の分野でも重要。土器の発明により比較的自由な造形を作り出すことが可能になりました。土をこねて焼けば、その形で固まることが分かったわけですよ。

古い時代の土器でも、中々にかっこいいものもありますよね! 美的センスが感じられます。

ついでに「土を火で固める」という発想は、その後の建築資材や金属の精錬などの源流とも言えます。オーストラリアの考古学者ヴィア・ゴードン・チャイルドによれば、土器は「人類が物質の化学的変化を利用した最初のできごと」とのこと。

それ以前の単純な火の利用・石の形を調整しただけの石器とはまた違った、人類文明が新たな一歩を踏み出した大発明!

ただし、悪い面もあったでしょう。それは自然破壊・大気汚染。土器を作ろうとすると火で土を焼く必要があるけど、これには燃料となる木が必要に。さらに長時間の過熱の際にco2が排出されるので大気汚染にも繋がります。

土器の発明以前から人間は食料となる大型哺乳類を狩りつくして絶滅させるなど環境破壊はしていましたが、土器から始まる技術の発展も自然への大きな影響を与えるようになったのは間違いありません。

こう考えてみると、土器は調理・衛生・保管・運搬・芸術・技術発展・自然破壊と多くの分野に大きな影響を与えたんですね~。

土器の誕生

そんな土器の誕生した時期は明確ではありませんが、中国江西省の洞窟遺跡で世界最古と思われる2万年前の土器が見つかっているそうです。

日本でも1万4000年前の土器による煮炊きの跡が見つかっており、世界全体で見れば早い段階で土器を発明していたと分かっています。

また、大きな特徴として「世界各地で同時平行的に生まれた」とのこと。どうも各地の土器を調べてみると、それぞれ独自に発明してるっぽい。人間、思いつくことは同じだってことでしょうか?

しかしまぁ、どんな風に土から容器を作ろうなんて思いついたのでしょうか? すごい発想だと思いません? みなさん、土器なんて全くない状態から「土を焼いて堅い容器を作ろう!」なんて思いつきますか? 少なくとも私は思いつきません(笑)

天才的な閃きでは。もちろん、計画的な発明ではなく偶然の発見からスタートしたんでしょうが、それにしても斬新なアイディア。

土器の製造方法

ウィキペディアから引用すると、一般的に土器は↓のような工程で作られるとのこと。

1.素地土の採取—粘土だけでは乾燥時に収縮し、亀裂を生じることから植物の繊維や滑石などの混和材も採取する。

2.素地土作り—押したり、揉んだり、踏みつけたりして粘土中の気泡を抜き、含まれる物質を均一に混ぜ合わせ、粘性を高める。

3.成形—粘土紐を積み上げていく方法(輪積製法)やロクロを用いる方法がある。

4.(整形)—縄文土器の場合は把手や突起などをつくる。土師器や須恵器の場合は高台をつくる場合などがある。

5.文様施文—縄や撚糸をころがす。ヘラ、刻みをつけた棒、貝殻、種実、縄などを押しつける。ヘラで磨り消す。ミガキをかける。塗彩する場合もある。

6.乾燥—冷暗所で7日から10日程度乾燥させる。乾燥によって土器は1割ほど収縮する。

7.焼成—焼成坑をつくり、焼成する。

8.調整—水もれを防ぐため表面を丹念に磨きあげる。漆液を塗って仕上げる場合もある。

中々に大変ですね……やはり、石器などとは一味違います。これらの工程のうち3・4・5の部分は実用目的だけでなく、文化的芸術的な意味があったりします。

縄文、弥生

土器は考古学にとっても重要な存在。材料の土を調べることで作られた時代が分かるし、その形や文様などで当時の文化を知ることができる。

日本人にとってなじみ深いのは、縄文土器と弥生土器ですね! 縄文時代・弥生時代ってのは学校で必ず習う言葉だと思うけれど、これらは土器の特徴から時代の名前が決められたもの。

縄文土器は、文字通り「縄による文様」が特徴とされます。まぁ、時代と範囲が広すぎるので縄の文様が付いてないものも多いようですが。

縄文時代は約1万6000年前から約2300年前。始めは煮炊き用の単純なものだったけど、途中から装飾的なものも登場。後半には容器を越えて、土偶・埴輪(はにわ)も作られるように。


↑初期の丸底タイプ。シンプルな調理用。

↑中期の火焔土器。すごい造形!

↑土偶。土器を超え、焼き物の領域へ!

弥生土器は、縄文土器に比べ高温で焼かれ相対的に薄く堅いとされます。技術が発展したんですね! 名前は、東京都文京区弥生町で発見されたことに由来。弥生時代は約2500年前後から約1700年前ごろまで。

「縄文時代・弥生時代」なんて言葉を覚えるだけだと退屈だけど、土器という視点で見てみると技術の進歩が分かって面白いかも?

まとめ

・「煮炊き」が可能になった大発明! 土器以前には煮炊きなんて不可能

・土器によって文明的な食生活が始まった

・液体の運搬、貯蔵なども可能に

・人類が物質の化学的変化を利用した最初のできごと

・ただし、土器を作るために大規模な環境破壊も始まった

・考古学的にも重要な物。日本だと縄文、弥生

・最初に思いついた人は天才じゃね?

 

 

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