病気と、その歴史的な影響力を考えてみる ~被害・免疫・呪い・魔女~

今でこそ病気の原因って明らかになってきてますが、昔は全く分かりませんでした。病気の原因に対して想像力を膨らませた結果、色々なアイディアが生み出されたと言えるでしょう!

というわけで、今回のテーマは「病気」。体・心のバランスが壊れている状態、問題が発生している状態のことですね。対義語は、一応「健康」だとされています。英語だとdisease

まぁ、病気と言っても曖昧なもので「何が病気で、何が病気じゃないのか?」というのは厳密な判断ができないことも多いです。原因と結果・自覚症状の有無・精神の病・社会的な理解などなど、色々と複雑なので。

この記事でも細かい部分には立ち入らず、割とざっくりと「病気」というものについて考えていきます。

身近な脅威!

現代社会でも病気ってのは身近な問題ですよね~。

非常に多くの種類の病気が私たちを襲ってきます! 風邪とかは油断するとすぐにかかってしまいますよね。また、インフルエンザは冬になると流行しニュースでも注目される程の影響力。

ネットで軽く調べてみても「家庭の医学」とか「病気の相談」みたいなものが大量に見つかります。さらに、突発的な病気ではなく「生活習慣病」ってのも最近では注目されまくり。みんな病気に関心があり、病気に負けないように気を付けている。

軽いものだといいんですが、非常に危険な病気ってのも色々と存在します。飛行機などの移動手段の進化により人の移動が高速化した結果、病気が世界規模に拡大する「パンデミック」という新しい問題も出てきていますし。

医療技術は病気と闘うために進歩してきましたが、まだまだ倒せない病気も。SFのように人類が病気に完全勝利する時代は来るのでしょうか……?

歴史の中での猛威

現代社会でも病気は大問題だけど、全体的に見れば被害は減ってきたと言えるでしょう。医療技術・医療知識が少なかった過去の時代には、今よりも病気が大暴れしていました。

有名なのは黒死病(=ペスト)ですよね。ペストは歴史上で複数回に渡って流行し、大量の死者を出した凶悪な病気。

直接的な原因はペスト菌という細菌。感染ルートとしては、まずノミがネズミの血を吸い、さらに同じノミ人の血を吸うと、その刺し口から菌が侵入します。また、感染者の血などに含まれる菌を吸い込んだりすることでも感染するとのこと。

特に知名度が高いのは中世ヨーロッパでの大流行でしょう。14世紀にアジアからヨーロッパに侵入し、約2,000万から3,000万人が死亡したと推定されています。これは当時のヨーロッパ全人口の約3割!人口の3割が死んでしまうなんて阿鼻叫喚の地獄絵図……正直、想像もしたくありません。

↓ペストの流行による被害

ペストの他にもコレラ・結核など歴史資料の中に多くの病気に関する記録を見つけることができます。このように病気は昔から多くの被害を出してきた存在なのです。

生物と病気の、はるかなる戦いと進化!

ところで、病気になるのは人間だけじゃないですよね。当然の話だけど(笑) 例えば、ペットも病気になったりして動物病院のお世話になったり。多くの生き物が病気にかかるわけで。

人類が生まれる前のはるか昔から生き物は病気と闘い続けてきました。その方法は、当たり前だけど医療技術ではありません。医療以外にも生き物は自力で病気と闘うことができる!

例えば、免疫(系)って言葉は広く知られてますよね。ウイルス・細菌・寄生虫などを検知して撃退するシステムのことで、生物の体に生まれつき備わっているもの。生物の体ってすごい!

逆に言えば、このような防御システムが発達するぐらい生物は病気と長い間戦い続けているってことであり、複雑な体内システムが必要なぐらい病気は凶悪な敵だってことですが。

↓細菌(オレンジ)を攻撃する免疫(黄色)

また、恒常性(ホメオスタシス)という言葉も。つねに体内環境を一定にしようとする働きのことで、↑の免疫系もホメオスタシスに含まれます。生物には自分のバランスを一定に保つ機能があり、これによって病気になってしまっても自力で治療ができるのです!

どれぐらい正確なのかは分かりませんが、岡本裕という人の調査によれば病気の内で95%は「医者がかかわってもかかわらなくても治癒する病気(自然治癒力や本人の努力で治癒するもの)」だったとのこと。

まぁ、実際の厳密な割合はともかく病気の多くは自力で直せてしまうってことでしょう。生物は医療技術や薬に頼らずとも病気を撃退できる力を身に付けてきた!

さらに人間の発明した薬の多くも、実は病気を「治す」効果は無かったり。風邪薬などが代表的ですが、つらい症状を押さえるだけで病気の元となる細菌・ウィルスなどを直接にやっつける作用があるわけじゃない。

実際に病原体を消し去り、病気を治すのは免疫の活動! 薬は体調が悪化することを防いでいるだけ。免疫ってすごい!

原因の謎が色々なアイディアを生み出した

さてさて、↑のペストに関する部分で「直接的な原因はペスト菌という細菌。感染ルートとしては、まずノミがネズミの血を吸い、さらに同じノミ人の血を吸うと、その刺し口から菌が侵入します。」なんて書きましたが、こういうことが分かったのは比較的最近のこと。

ペスト菌の発見は1894年。逆に言えば、これ以前はペスト菌は発見されておらずペストの正体は謎だったわけで。

ペストに限らず、多くの病気の原因が特定されたのは近現代になってから。

今でこそ細菌・ウイルス・寄生虫・遺伝病などの原因が分かっていますが、それ以前は病気とは「原因が分からない謎の現象」だったと言えるでしょう。ウイルス・細菌などが肉眼で見えるはずもありませんしね(笑)

↓ウイルス

このような病気の謎について、昔の人も原因を色々と考えたはず。「なぜ、こんなに苦しいことが起きるのか?」「病気は、どこから来るのか?」「病気を作っているのは何か?」

そして病気についての考えが、呪い・災い・祟りなどのアイディアの源流になったと言えるでしょう。さらには悪魔・悪霊なども病気が元ネタの1つと言えるかも。

「病気になるのは、悪い存在が人間を攻撃しているからだ!」「病気は悪魔の呪いだ!」「悪霊による災いに違いない!」「禁忌を破ったことによる祟り!」的な感じ。

実際に↑のペストの話でも「ペストの流行は魔女の呪いだ! 魔女を見つけて始末しろ!」なんて考えが広がり、魔女狩りが行われたとのこと。やはり病気は呪い・悪魔などと結び付けられた。

今のサブカル界隈でも悪魔・呪い・魔女なんかは人気のある題材だと思いますが、そのようなアイディアが生まれた源流には謎の敵の攻撃に苦しんだ大昔の人々がいるんですねぇ。

病気は物理的な影響だけでなく、精神的にも人類文明に大きな影響を与えてきたと言えるでしょう。

まとめ

・非常に多くの種類の病気が私たちを襲ってくる! SFのように人類が病気に完全勝利する時代は来るのか……?

・病気になるのは人間だけじゃない。生物は、病気と戦う「免疫」というシステムを進化させてきた。

・多くの病気の原因が特定されたのは近現代になってから。それ以前、病気は「原因が分からない謎の現象」だった

・病気の謎について、昔の人も原因を色々と考えたはず。そして病気についての考えが呪い、災い、祟り、悪魔などのアイディアの源流になった

・病気は物理的な影響だけでなく、精神的にも人類文明に大きな影響を与えてきたと言える。

 

 

病気がもたらす悲惨な結果。そして、人類の不幸の始まり。それこそが死。

人間の悲しさは『死』を認識してしまったこと!
「そのうち自分は死んでしまう」という問題を認識しているくせに、死なない方法を見つけられない。これこそが人間の不幸ですよね~