暗号通貨が国家を弱体化させる ~規制の先にある未来~

民間が通貨を作れる時代に! 1つの特権が崩れ去る!

というわけで、今回は「暗号通貨が国家を弱体化させる」という話。暗号通貨と未来社会について考えます。

2018年1月現在、中国・ヨーロッパなどから暗号通貨に対する規制のニュースが出てきて、それによる暴落が発生しました。

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この暴落で暗号通貨は終わり、みたいな意見も出てきています。しかし、個人的にはまったくそう思いません。むしろ暗号通貨の影響はこれから。

終わりだという人は暗号通貨を金融商品としか見てないんでしょう。しかし、暗号通貨は「通貨」になることができるもので、それが未来社会に巨大な意味を持つのです。

通貨の管理こそが支配者の権力だった

昔から通貨・貨幣は支配者によって定められるものでした。というよりも通貨を管理できるものこそが支配者だったわけで。通貨こそが経済の中心であり、経済こそが社会の中心ですからね。

というわけで、貨幣を作る権利である造幣権(ぞうへいけん)は民間に対して許可されなかった。まぁ歴史を見れば支配者が貨幣を100%独占管理できていたわけでもないんだけども……

現在の日本では、日本銀行のみが紙幣を、硬貨は造幣局が製造し政府のみが法定通貨である「円」を発行できます。

支配者が通貨を管理し、そして支配者が管理しているからこそ通貨としての信用がある。勝手に増やすことはできず偽造が処罰されることで価値が安定する。さらに通貨を管理しているからこそ支配者には強い力が生まれ……

この支配力と通貨管理のループ構造が国家を支える大きな柱だと言えるでしょう。

民間が通貨を作れると国家は弱体化する

しかし、技術の進化によって時代は変わりました。ブロックチェーンなどによって民間でも信用される通貨を作れるようになったのです。

通貨というのは信用が重要。貝殻にしろ貴金属にしろネット上の数字にしろ、食べられないのは同じです。それ自体には大して意味がない。

「これは他のものに交換できる」と人々が信じていることがそれに意味と価値を与える。逆に言えば、信じられるのであれば物は何でもいい。

今までは支配者が通貨を管理していて、だからこそ信用されていた。価値を支配者が保証してくれるから信用できる。

しかし、新技術は支配者の管理に頼らなくても価値が保証できるように。

「世界中のコンピューターで分散処理しているので、不正な取引は認められない」

「システム的に全体量の急な増減はあり得ない」

人々が信用できる新しいものが生まれてきてしまったわけですよ。

国家が通貨に対する管理権を失い、経済・財政の制御も困難になる

これから暗号通貨の利用は増えていくでしょう。ビットコイン・リップル・XP……1つ1つの銘柄の未来は分かりませんが、暗号通貨全体を見れば発展は止まりません。

話を分かりやすくするために、世界中で使われる全ての通貨が民間由来の暗号通貨になったとします。

そうなった時に何が起きるか? 国が、自国内で使われている通貨を管理できなくなる。通貨が国家から分離独立。これは社会構造を大きく変えますよ。通貨を管理できなくなった分だけ国家は弱体化します。

今は日本銀行が通貨の新規発行量、および市場に出回る円の量を決定している。これがコントロールできなくなるわけです。流通する貨幣量を変化させることによる経済政策も不可能になるでしょう。

また日本国債をバンバン発行しています。赤字経営で自転車操業。それでも破綻しないとされているのはいざとなれば円を作って返せばいいから。返すべき通貨自体を生み出せるから破綻しない、これが自国通貨建て国債の論理。

しかし、返すべき通貨が作れなくなると話は大きく変わってしまう。円ではなく暗号通貨が基準になった瞬間に日本は大ピンチ。円を作ったところで欲しがる人がいない。そもそもが暗号通貨建て国債じゃないと買ってもらえないでしょうし。

2000年にアルゼンチンがデフォルト(債務不履行)を宣言しています。これはドル建てだったからで非自国通貨建てならデフォルトは現実的にあり得る。暗号通貨の時代になったら日本は財政的に大きな危機を迎えるかもしれません。

このように通貨が暗号通貨として分離独立すると、国家はその分だけ弱体化。通貨を製造管理できなくなり、そこから波及して国による経済と財政のコントロールも難しくなるでしょう。

国々が規制に動くのは当たり前

ここまで読んでいただけたなら、世界の国々が暗号通貨の規制に動き出すのも納得できるでしょう。私程度が見える未来を、国家のエリートたちが予想できないはずがありません。

「国々が規制に動いたから暗号通貨は終わりだ!」なんて言ってる人は、金融商品にしか見えてない。

暗号通貨は国家の枠組みを超えるものであり、国家の枠組みを変えるもの。弱体化したくない国家側が封じ込めようとするのは当然の反応。むしろ国々を規制に動かすほど巨大な影響力と強烈な可能性を持った存在だと見るべき。

国々は「価格の乱高下によって市場と経済に混乱を与えている。だから規制する。」みたいなことを言ってますが、これは建前ですね。建前というとあれだけど、わざと金融商品としての側面にしか言及していない。

国々の本音としては価格が安定して通貨として利用が広がる方がよっぽど嫌なはず。長期的には既存の国家通貨の没落と、暗号通貨の国家からの分離独立につながりますから。

新しい社会構造へ

ちなみに「国家が弱体化する」「国による経済と財政のコントロールも難しくなる」と聞くと悪いことのように思えるかもしれません。

しかし、考えてみて欲しいのは「誰にとって悪いことなのか?」という点。これは「国家にとって」です。「一般市民にとって」でも「人類にとって」でもありません。

もちろんもちろん、国家の弱体化は短期的に見れば一般市民にも大きな悪影響を与えるでしょう。日本とかデフォルトの危機があるわけですし……

しかし、メリットも多くあります。国境に縛られず世界中とスムーズにつながり、国家による統制も少なくなる。さらに自由で活発な経済社会が生まれるでしょう。

産業革命みたいなイメージですかね。確かに手作業をしていた職人たちが大量に失業する悪影響があった。しかし、それ以上のメリットとして機械化によって安価で効率的に物が作れるように。おかげで今の現代社会がある。社会は壊れたのではなく変化した。

これは暗号通貨の分離独立による国家弱体化の時代にも言えること。国家と社会は壊れるのではなく変化するのです。一時的には悪影響が出るのは避けられないけど、長期的にはより良い社会になるでしょう。

まるでSFみたいな夢物語だと思われる人もいるかもしれません。でも、2018年現在の生活だって50年前から見ればSFみたいなものですよ。社会が大きく変わり続けるなんて当たり前の話。

まとめ

・暗号通貨の利用が広がると、国が自国内で使われている通貨を管理できなくなる。

・それによって国による経済と財政のコントロールも難しくなる。例えば日本はデフォルトの可能性アップ。

・なので、国々が規制に動くのは当たり前の反応。

・国家の弱体化は短期的に大きな悪影響を出すだろうが、長期的に見ればより良い未来社会が来る

具体的にどんな世界になるのか私には想像できませんが……50年前のパソコンもスマホもSNSも無かった時代の人が今の我々の生活を想像できないように、今の私にも暗号通貨によって変化した生活を絵描けない。

まぁ、その分だけ楽しみではありますが。ドキドキワクワクですね。

 

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