『洞窟壁画』 ~ショーヴェ・ラスコー・アルタミラ~

はるか昔から、芸術活動は行われてきました。そして、そんな過去の作品が現代に残っている。ロマンでしょう!

↑ショーヴェ洞窟壁画(この記事の画像は、すべてウィキペディアより)

というわけで、今回のテーマは「洞窟壁画」。英語だとCave painting。文字通り洞窟の壁や天上に描かれた絵のこと。

有史以前の作品であり、現存する最古の絵画! 今に残っている洞窟壁画としては約3万2000年前のショーヴェ洞窟壁画が最も古いとされます。

洞窟壁画

ヨーロッパで最初に洞窟壁画が見つかったのは、1879年のスペインにあるアルタミラ洞窟。これ以前は洞窟壁画、有史以前の大昔の絵というのは知られていませんでした。

これらの絵は、後期旧石器時代の人類の高レベルな芸術的能力の証拠! 簡単な道具だけを使って描かれているけど表現力ありますよね!

さらに洞窟壁画は、その時代の文化や信条を表す貴重な手がかりにも。描いたのは社会的に敬われていた年長者・シャーマンだと考えられています。

しかし、その目的はよく分かっていません。狩りで獲れる獲物を増やすためのまじないなどの説がありますが、草食動物だけでなく肉食動物も描かれていたり。

また、動物以外にも人間の手形があったりするけれど、これも理由は不明。一説によると「描いた人の署名みたいなもんでは? 」とのこと。俺が描いたんだぞ! っていうアピールでしょうか。


↑ちょっとホラー(笑)

まぁ、何か1つだけの理由があったと言うよりも様々な理由が重なり合って制作されたのでしょうね。それぞれの洞窟壁画も、ある瞬間だけに描かれたわけではなく何百年もの時間をかけて描き足されていったようですし。

また「ヨーロッパの古い洞窟壁画はネアンデルタール人が描いたのではないか?」という説もあるそうですよ!

洞窟壁画の一部が4万800年以上前に書かれていた可能性があり、この時期のヨーロッパではネアンデルタール人が生活していたのです! ネアンデルタール人が描いた芸術が現在にも残っている、本当だとしたら超ロマン!

さて、ここからは洞窟壁画の中でも特に有名であり世界遺産にもなっている「ショーヴェ洞窟壁画」「アルタミラ洞窟壁画」「ラスコー洞窟壁画」の3つを紹介していきます~。

ショーヴェ洞窟壁画

フランス南部にある壁画で、この洞窟壁画は現存する最古の壁画だと言われており、なんと約3万2000年前だとされています!

むちゃくちゃ古い芸術ですね。芸術は少なくとも3万2000年以上の歴史がある、と言えるでしょう。

発見されたのは1994年、けっこう最近の話。それまでに有名だったラスコー洞窟壁画、アルタミラ洞窟壁画よりずっと古く常識を変えた大発見だったみたい

描かれているのは野生の動物で、牛・サイ・ライオンなど13種類。現在分かっているだけで、260点以上の動物画が見つかっています! 総数としては300を超えるとの予測も

こちらはハイエナ。デコボコした洞窟の壁に絵を描くって、けっこう大変だと思うけど上手く描けてますよね。すごいもんです

こんな感じに、洞窟の壁に動物の絵がたくさん! 入ってみたら面白いでしょうね。ただし、この洞窟は研究者以外立ち入り禁止。劣化が進んでいるみたいなのでしょうがない。

2014年には世界文化遺産にもなりました。認められた条件としては「(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。」

他の2つも同じ条件で登録されています。やはり、洞窟壁画は人類の芸術能力を示す素晴らしい証拠!

アルタミラ洞窟

スペイン北部にあり、約1万8500年前のものと約1万6500~1万4000年前の壁画の2種類があるとのこと。約1万3000年前に落石によって洞窟の入り口がふさがり、そのおかげで大気に触れることなく保存されることになりました。

この洞窟壁画は、1879年にこの地の領主であり法律家かつアマチュアの考古学者でもあるマルセリーノ・デ・サウトゥオラ侯爵の娘マリアが偶然に発見。

侯爵はこれらの絵が旧石器時代のものであると考え、1880年に発表! しかし、当時は旧石器時代の絵が理解されず学界からは侯爵の捏造だと疑われてしまいます。

アルタミラはヨーロッパで発見された最初の洞窟壁画だったので、それまで洞窟壁画というのものが知られていなかった。新発見すぎた不幸と言えるでしょうか……侯爵は失意の中、1888年に57歳でこの世を去りました。

1900年代に入ると科学的な調査も進み、これらの洞窟壁画は間違いなく旧石器時代の絵だと判断されます。論文などによって伯爵の名誉も回復! 良かったですねぇ。

現在は、外気に触れて痛みがひどくなっているので非公開。ただし、以下の3つの場所にレプリカがあるとのこと。

アルタミラ博物館(現地)・国立考古学博物館(スペインのマドリード)・ハビエル城博物館(三重県志摩市の複合リゾート施設「志摩スペイン村」のテーマパーク「パルケエスパーニャ」内)日本にもあるとは(笑)

1985年に「アルタミラ洞窟」として登録されましたが、2008年にはさらに17箇所が追加される形で拡大登録され「アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術」という名前になっています。

ラスコー洞窟壁画

フランスの西南部にあり、1940年9月に近くで遊んでいた近くの村の子供たちによって発見。約1万5000年前の旧石器時代後期のクロマニョン人によって描かれたと考えられています。

洞窟の側面と天井には、数百の馬・山羊・羊・野牛・鹿・かもしか・人間・幾何学模様の彩画や刻線画、顔料を吹き付けて刻印した人間の手形が500点も!

「ヴェゼール渓谷の先史的景観と装飾洞窟群」として、1979年にユネスコの世界遺産に登録されています。

かつては大勢の観客を洞窟内に受け入れていましたが、観客の吐く二酸化炭素により壁画が急速に劣化。1963年以降から、壁画の劣化を防ぐため洞窟は閉鎖されました。

現在は壁画修復が進むめつつ、一日に数名ごとの研究者らに応募させ入場・鑑賞させています。

オリジナルの洞窟の近くにレプリカの洞窟「ラスコー2」が1983年に作られており、こちらは一般見学が可能。この他、遠隔地での展示が可能な「ラスコー3」もあり、また2015年現在新たなレプリカ洞窟「ラスコー4」が計画されているとのこと!

洞窟壁画の保存と観光の問題は、どこも似たようなものですね。

ヨーロッパ以外の洞窟壁画

洞窟壁画というとヨーロッパにある↑の3つが有名。しかし、実際には世界中に存在します。南アフリカには約3000年前のものがあり、オーストラリア・東南アジア・メキシコ・南米でも見つかっていたり。

やはり、絵を描くことは人類共通。はるかな昔から人間は絵を描き続けてきたのです!

まとめ

・有史以前の作品であり、 発見された中では約3万2000年前のショーヴェ洞窟壁画が現存する最古の絵画!

・ヨーロッパで最初に洞窟壁画が見つかったのは、1879年のアルタミラ洞窟。これ以前は洞窟壁画、有史以前の絵というのは知られていなかった。

・描かれた目的はよく分かっていない

・大昔の絵だけど、表現力あるよね!

・やはり絵を描くというのは人類共通の行動。人間は絵を描く生き物!

 

 

多くの人が絵を描き続けてきました

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