『暦』って、改めて考えると面白いよね! ~時の流れと世界観~

現代では世界中で共通の暦が使われるようになってきていますが、昔は地域ごとに独自の時間感覚があったのです! 当たり前だと思っていることは、実は当たり前じゃない。

というわけで、今回のテーマは「」。時間の流れを年・月・週・日といった単位に当てはめて数えるように整理固定化したもの。英語だとcalendar(カレンダー)

社会を効率化する、素晴らしきアイディア

改めて考えてみると暦ってすごいもの。時間の流れを整理して分割し名前を与え、社会の中で共有していく。

今となっては当たり前の話。でも、想像してみてくださいよ。動物の世界に暦なんてありませんし、人間だって原始時代には暦なんて持っていなかった!

原始人が「今日は火曜日だから、明日は水曜日か。2週間以内に完成させないと来月の発表会に間に合わないぞ!」なんて思ったりしたはずがありません(笑)

彼らは1日1日を生きていただけでしょう。明るくなったら起きて暗くなったら寝る。「一週間」とか「一か月」とか、そんな発想は無かった! まぁ、季節が一周する期間(=今で言う1年間)、ぐらいは分かっていたでしょうけど……

想像すると自由な暮らしですねぇ。曜日・一週間・一か月なんかに縛られない生活!

ただし、社会全体で見れば超非効率! だって、未来の話がしにくくて計画が立てられませんから。1人1人が好き勝手な時間感覚で暮らしてたら社会は回っていきませんよ。

「今日は金曜日だから、明日は土曜日で休みだな!」「え、俺のルールでは今日は鳥日で、明日は犬日なんだけど?」みたいなことになって話が通じない(笑)

そこで「暦」というのが生み出されてくるわけで。暦を作ることで多くの人が同じ時間感覚で行動することができる! これは非常に大きな進歩。世界中の文明に暦がありますが、逆に言えば暦があるからこそ文明が発展するのです。

暦は「暦法」、つまり暦を作るためのルールによって作られます。この暦法は基本的には天体の動き、太陽と月の運航によって定められます。天体の動きこそが世界の安定したルールであると人類は気付いたわけですよ。

暦法は大きく言って3種類。

①太陽の動きを基準とする「太陽暦

②月の動きを基準とする「太陰暦

③月の動きを基準としつつも太陽の動きによって1年の日数を調整する「太陰太陽暦

太陰暦は月の運行に合わせた暦で、「何日」と月の満ち欠けが一致することが特徴。月が出てさえいれば、その日が何日であるかカレンダーを見なくても分かる! 逆に、日付をが分かれば月の形が分かります。

深夜に月の明かりを頼りとして活動をする場合には、月の満ち欠けが分かると便利でした。また、潮の満ち引き(潮汐)は月の位置と密接な関係があるため、漁業や釣りなどの海での活動を行う場合にも太陰暦は便利。

日本も中国由来で昔は太陰暦でした。(正確には太陽太陰暦ですが。)日本語の1月とか12月といった「月」は太陰暦の名残り。

ただし! 完全な太陰暦においては一年が約354日! 太陽暦に比べ11日短くなるため、時間が進むにつれて実際の季節とカレンダー上の日付の差が大きくなっていくのが欠点。

これに対して、太陽暦は月の満ち欠けとは関係ありません。よって、暦だけではその日の月の形は分からないし、1か月の日数も一定では無い。

しかし、太陽の運行と暦の月日が一致しているので、1年間は約365日という正確な数字になります。(そもそも、1年=地球が太陽を一周する時間、なので太陽をベースにすると1年間の日数が正確に分かる。)

季節と暦が連動するため、農業はやりやすくなります。さらに同じ月日なのに季節の現象が遅れたり早まったりすることを観察することで、その年が寒い傾向の年なのか暑い傾向の年なのかを知ることも可能。このことは農業・漁業・園芸などにとって重要です。

現在の私たちが使っている暦は、グレゴリオ暦という太陽暦。「4月になると春」「7月になると暑い!」こういった会話が成り立つのも太陽暦だからこそ!

色々な暦と、その面白さ

ウィキペディアから暦の一覧を引用してみますよ~。世界には色んな暦があるのです!

・現在使われているもの

360日暦
会計年度
アカン暦
アッシリア暦
天文学における暦
バハーイー暦
ベンガル暦
ベルベル暦
仏滅紀元
中国暦
エチオピア暦
欧暦
ゲルマン暦
グレゴリオ暦(1番広く使われている)
ユダヤ暦
ヒンドゥー暦
イボ暦
インド国定暦
ISO 8601
イラン暦
アイルランド暦
ヒジュラ暦
日本の暦
ジャワ暦
主体暦
ユリウス暦
改正ユリウス暦
クルド暦
リトアニア暦
マラヤラム暦
マヤ暦
シク教暦
ネパール暦
ビクラム暦
民国紀元
ルーマニア暦
ルーン暦
タミル暦
タイ太陰暦
タイ太陽暦
チベット暦
ゾロアスター暦

・過去に使われていたもの

古代メキシコのカレンダー
アッティカ暦
古代ブルガリア暦
アステカ暦
バビロニア暦
ブルガール暦
世界創造紀元
コリニー暦
エジプト暦
エノク暦
フィレンツェ暦
フランス革命暦
ヘレニズム暦
古代マケドニア暦
メソアメリカ暦
ラパヌイ暦
ローマ暦
ソビエト連邦暦
スウェーデン暦
神武天皇即位紀元(皇紀)

・提案されたもの

以下は、グレゴリオ暦に対して提案された改変バージョン。
世界暦
閏週暦

パックス暦
シンメトリー454

地球以外に提案されたもの
ダリアン暦(火星)

いや~、色々とあります! これもウィキペディアに載っているものだけ。本当はもっともっと多くの暦があることでしょう! 想像力が広がりますね~。

日月火水木金土の7日で一週間、一か月は約30日、1年は365日、今年は2016年で来年は2017年……こういったことは全然「当たり前」じゃあない!

グレゴリオ暦が世界的に広がったからそうなっているだけ。昔は世界各地で、時間の流れは違った! 今だって地球上には複数の暦がある!

また、↑の表では最後の「ダリアン暦」は面白いですねぇ。これは火星に合わせた暦で、1985年にトーマス・ガンゲールによって提唱されたもの。

火星の平均太陽日である24時39分35.244秒を1ソルとする。1火星年は668ソルまたは669ソルとし(春分回帰年が668.5907ソルである為)、 24の火星月に分けるとのこと。火星は1日の長さも1年の長さも地球とは違いますから。

地球上では、(太陽暦を使うなら)1年=約365日というのはどの場所でも変わりません。地球は約365日で太陽を1周するので。

しかし! 別の星なら太陽を1周するまでの長さも全然違う! こうなってくると1年=365日なんて通用しません。宇宙全体で考えれば、1年=365日なんてローカルな思い込み(笑)

地球上には数多くの暦があり、宇宙には地球上の暦なんて通用しない! 世界の時の流れというのは場所によって違うと言えるんですよ! もしも地球以外の星に宇宙人がいたとしたら、どんな暦で生活しているのやら?

紀年法

暦法とは別に「紀年法(きねんぽう)」というものもあります。英語だとcalendar era。これは1年を数えたり記録する方法。あくまで「1年をどう数えるか」という話。なので1つの暦に対して、複数の紀年法があり得ます。

例を出すと「日月火水木金土の7日で一週間。1年は太陽暦によって365日であり、これを12の月に分ける」というのが暦。「今年が2016年であり、来年が2017年である」こっちが紀年法。

まぁ、正確な年月日を指定するには暦法と紀年法の両方を決める必要があるのでセットで考えても問題は少ないのですが。

紀年法には大きく言って3種類あります。

紀元:ある年を起点にして無限に数えていく。西暦/キリスト紀元、ヒジュラ暦/ヒジュラ紀元、仏暦/仏滅紀元、皇紀/神武紀元など。
元号:君主の即位、重大事件などによってリセットされる有限の期間
循環式:一定の年数で繰り返される。干支(60年周期)やインディクティオン(15年周期)など

 

効率性を考えるなら統一すべきだが……

効率だけを考えるなら、暦法および紀年法は全世界で1つにまとめたほうが圧倒的に便利。

例えば、現在の日本では暦法としてはグレゴリオ暦、そして紀年法としては西暦と元号(昭和・平成など)の2つを使っています。しかし、紀年法が2つあるせいでめんどうなことも。

西暦の年数と、平成の年数の関係性って迷う人も多いはず(笑) 「今年は2016年だけど、平成だと……?」みたいなことは非常によくあります。また、書類によって西暦と平成が違ったりするのも不便。「生年月日は199……って平成かよ!」なんて体験あるのでは。

こんな感じで暦法・紀年法が違うと不便です。紀年法だけならまだいいけれど、暦法まで違うとルールごと違うのでめっちゃ大変!

全世界で統一してしまうなら、現在でも基準として使われている「グレゴリオ暦+西暦」が無難でしょう。

しかし! 西暦には大きな問題があります。西暦1年の基準、それは「イエス・キリストが誕生した年」なんですよ。(正確には微妙にズレるそうだけど)

つまり、西暦というのは明らかに「キリスト教的な基準」。ぶっちゃけ、それ以外の人にとっては西暦1年なんて大して意味がある年でありません。

このように暦法と紀年法は、民族・文化・宗教などを反映しています。別の言葉で言えば「世界観」とも言えるでしょう。全世界で1つの暦法と紀年法だけにするというのは、数多くの世界観を消して1つだけにするということ。

これは、つまらないですよね。みんな同じ考え方なんて退屈では。世界中に多くの暦と紀年法がある、これは非常に不便な話であると同時に、不便さを超えるだけの面白さがある! ロマンですよ、そう思いません?

まとめ

・今では当たり前。だけど動物の世界に暦なんてないし、人間だって原始時代には暦なんて持っていなかった!

・暦を作ることで多くの人が同じ時間感覚で行動することができる! 未来の計画が立てられる!

・暦は「暦法」によって作られる。1年の作り方。基本的には、太陽暦、太陰暦、太陽太陰暦の3種類。

・「紀年法」は1年を数えていく方法。

・世界には色んな歴がある! 私が暮らしている時間感覚は、ぜんぜん当たり前じゃない!

・みんな同じ時間感覚、世界観なんてつまらない! 暦法と紀年法には、不便さを超えるだけの面白さとロマンがある!

 

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改めて考えてみると面白い!

当たり前を改めて考えてみることで、想像力を鍛えよう!
蛇口をひねるだけで水が出てくる、スーパーにならぶ海外からの輸入品、アメリカから世界中に広がったマクドナルド……当たり前だと思っている事も改めて考えてみれば面白くて、すごい!

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