『アトリエ』とは? ~芸術家たちの作業場~

芸術を作るってのも本格的にやると大がかりな作業。専用スペース! ロマンですね~。

というわけで、今回のテーマは「アトリエ」。画家・芸術家などが活動を行うための専用の作業場です。絵の具がびっしり並べてあったりモデルさんを呼んできたりしてる、あの場所。

アトリエというのはフランス語であり、英語ではスタジオ(studio)、日本語で訳せば工房

(この記事の画像は全て、ウィキペディアより)

もちろん、西洋だけでなく東洋の芸術家も使います

いやー、言葉の響きがかっこいい。「アトリエ」ですよ、「アトリエ」。言葉だけでおしゃれな感じがしません? 実際に、デザイン関係の企業の社名とかに使われたりする単語。しかし当然だけど、アトリエはおしゃれのためにあるわけではありません

アトリエの必要性

絵を描く・彫刻を彫るなどには明かりが必要なんです。大きな窓があって日光がよく入ってくる作業場がいる。

また、けっこう広めのスペースもあった方がいい。作品も小さなものばかりとは限りません。材料も色々と必要だしゴミが出たり床が汚れたり

そこで専用スペース、アトリエの出番! ただし、問題もあります。大きくて汚してもいい専用スペースなんて、街中でそう安く手に入るわけじゃない。大都市は土地の値段が高いですから

なので、倉庫や廃工場を再利用したりする人も。後は、都市中心部から離れて安い場所を探したり。芸術家が集まる場所ってロマンチックだけど、アトリエが用意しやすいっていう現実的な事情があったり。

例えば、19世紀から20世紀初頭のパリのモンマルトルとモンパルナス。ここは印象派、ピカソなどが活動の拠点にしましたが家賃が低くてアトリエが用意しやすかったのです

デジタルアートはアトリエいらず!

絵を描いたり彫刻を作るには専用スペースであるアトリエがないと不便。しかし! 時代は変わってきました。

パソコンを使ってデジタル空間の中で芸術作品を作るのならアトリエはいりません。広い作業台なんて要りませんし、光の明るさもパソコンの画面で調整すればよく、ゴミも出ない!

最近では現実空間で作られる芸術だけでなく、CGなどデジタルアートを作る人も増えています。芸術活動をするのが簡単になったと言えるのでは。絵具とかキャンパスとかの材料も用意しなくていいし。いやー、パソコンって便利ですねぇ。

分業生産の場

さて、話を現実空間のアトリエに戻します。このアトリエという場所、芸術家「個人」のものとは限りません! 中世~近世では師匠だけでなく弟子たちも同じ工房で作品を生産することも。

また、分業生産・大量生産なども行われました。「メインは師匠が書いて背景は弟子が描く」的な感じや、逆に「弟子に描かせて師匠は仕上げだけ」なんてパターンも。あのレオナルド・ダ・ヴィンチなども、工房を作り弟子たちと絵を作っていたり

また、アイディアだけ出して後は弟子に描かせることもあったそう。なので、「よく鑑定してみたら、本人じゃなくて弟子の作品でした」なんてのも結構あったりします。当然、師匠の絵に似てますからね

アトリエ関係で有名な芸術家と言えば、ルーベンスという人。この人はかなりの人気画家でヨーロッパ中から注文が殺到。それに対応すべく「黄金の工房」と呼ばれる、巨大でシステマチックなアトリエを制作しました

基本は弟子がやり、ルーベンスは仕上げ。だれがどの部分を製作したかは台帳に記録。ルーベンスは署名だけなんて作品もあったらしい!

「芸術家は一人で作品を作るものだ!」と、思っている人がいるかもですが、意外とそんなこともなかったり

漫画家とアシスタントをイメージしていただければ分かりやすいと思います。芸術家も昔は「有名な人のアトリエに弟子入りして、師匠に認めてもらえたら独立」ってパターンが多くありました。

そう考えると、昔の芸術家に少し親近感が湧いてきませんか?

まとめ

・画家、芸術家などが活動を行うための専用の作業場

・絵を描く、彫刻を彫るなどには大きな窓があって日光がよく入ってくる作業場がいる。けっこう広めのスペースも必要。

・中世~近世では弟子たちも同じ工房で作品を生産したりも。また、分業生産や大量生産なども行った。

・昔は「有名な人のアトリエに弟子入りして師匠に認めてもらえたら独立」ってパターンが多くあった。今の漫画家みたいな

・デジタルアートはアトリエいらず!

 

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